広島・ドラ4工藤 1軍昇格即登板2回0封3K!「緊張しました」も圧巻デビュー 最速152キロ 大敗3連敗も希望の快投
「広島1-9ヤクルト」(29日、マツダスタジアム)
悔しい大敗の中、鯉党に希望を届けた。広島のドラフト4位・工藤泰己投手(22)=北海学園大=がプロ初登板。2回を1安打無失点3奪三振の圧巻デビューを飾った。1-9の八回からマウンドに上がり、最速152キロをマーク。辻のケガに伴い、急きょ1軍に昇格した最速159キロ右腕がプロとして大きな一歩を踏み出した。
本拠地で、工藤は小さく拳を握った。九回2死一塁。長岡を内角のフォークで空振り三振に斬り、役割を終えた。「緊張しました。でも調子に左右されず、投げるということを意識してやってきた。その結果が出た」。記念すべきプロ初登板を、2回1安打3奪三振、無失点で飾った。
パワーピッチャーの迫力を見せつけた。八回から登板。2死から迎えた岩田を、150キロの直球でバットをへし折り、二ゴロに打ち取った。直球は常時150キロ超え。回をまたいだ九回もスピードは衰えない。この日の最速は152キロ。剛球で押しながらスライダーとフォークを織り交ぜ、燕打線を手玉にとった。
急きょの1軍昇格。吉報が届いたのは、筑後でのファーム・ソフトバンク戦に向けて宿舎を出発する20分前だった。慌ただしく移動し、球場入りしたのは午後4時半過ぎだった。デビュー戦を無失点。新井監督は「初登板であれだけゾーンの中に通せるんだから。真っすぐに力があるし押し込んでいる。ナイス投球だった」と賛辞を贈った。
「アマチュアと違い、プロは毎日試合がある。無駄な予備動作が多いと動きに波が出る。それなら無駄を省いて、よりシンプルに投げた方が技術的にも上がると思った」
7月に、足を上げるフォームからクイックにモデルチェンジ。投球の再現性を高めるために試行錯誤した。球が散らばることはあっても、ストライクゾーンから大きくそれることが減った。「それまではちょっとズレてただけでバラバラ。それが今はゾーンの中で散らばってくれる」。最速159キロの剛球で勝負できる回数が増えた。
1月の自主トレで「右大腿(だいたい)二頭筋腱(けん)膜部損傷」と診断され、始まったプロの道。5月に1軍昇格を果たしたものの、登板機会なしで登録を抹消された。悔しさを胸に、2軍で自らと向き合いフォームも修正。その成果をマツダで見せつけた。
25年度ドラフトで入団した選手は、入団前に右肘の手術を受けた高木快を除き、全ての選手が1軍デビューを果たした。工藤が目指す投手像は、西武の平良。「真っすぐでも変化球でも、三振が取れる投手になりたい」。遠回りしたからこそ手にした確かな技術と強い覚悟を武器に、背番号35が1軍の舞台で飛躍を誓った。
◆工藤 泰己(くどう・たいき)2003年9月29日生まれ、22歳。北海道出身。175センチ、87キロ。右投げ右打ち。投手。北海、北海学園大を経て2025年度ドラフト4位で広島入団。高校時代は捕手。大学時代に筋トレに励んで球速アップに成功した。今季2軍公式戦は25試合で2勝2敗1セーブ、防御率5・05。
