広島・二俣 捕手再挑戦「第一段階としてはOK」八回4年ぶりマスク 内外野プラスで出場数増へ 新井監督が打診
「フェニックス・リーグ、くふうハヤテ3-4広島」(6日、天福球場)
「みやざきフェニックス・リーグ」が6日、宮崎県日南市の天福球場などで開幕した。今秋から捕手に再挑戦する広島・二俣翔一内野手(22)はくふうハヤテ戦の八回の守備からマスクをかぶり、基本動作をそつなくこなした。捕手として試合に出場するのは4年ぶり。内外野を守れる鯉のユーティリティープレーヤーが新たな挑戦に励み、来季の出場機会増を目指していく。
乾いた捕球音を響かせ、味方野手陣に指示を送る。その姿に、ブランクは感じさせなかった。マスク越しにダイヤモンドを見ながら、二俣がゲームを束ねていく。「どういうことを考えながらゲームをつくるか、しっかりバッテリーで話し合っていきたい」。実りの秋にするための第一歩を、力強く踏み出した。
出番は同点の八回裏に巡ってきた。先発・杉田、スタメンマスクの清水と事前にベンチで言葉を交わし、準備完了。八回は杉田のワンバウンドを体で止める場面もあり、三者凡退に封じた。1点リードの九回は2番手・益田と意思疎通を図り、チームを勝利に導いた。
「配球も考えて打ち取れた。投手もフェニックスでのテーマがある。課題やテーマを聞いた上で『こういうのを試していこう』と話したりした。(今後も)自分が引き出せるように」と頼もしい言葉を並べた。
9月20日・巨人戦の試合前、新井監督から捕手再挑戦を打診された。「自分でも、内外野をやって捕手もできたら『面白いな』というのは頭の片隅で考えていた。監督から、捕手一本ではなくて内外野にプラスして捕手というふうに言われた」と新たな起用法を提案されて快諾した。
捕手でプロ入りし、1年目の21年には2軍戦で捕手として16試合に出場した。1軍では投手、捕手以外の全ポジションを守った経験があり、器用さが武器。「ポジションも増えて(起用の)幅もさらに広がる部分もある。そこは自分の強み」。扇の要としての力を養えば、チームとしても起用の選択肢が増えることになる。
倉2軍バッテリーコーチは「第一段階としてはOKかな」と現時点での動きに合格点を与えた。捕手で1試合フルに出場することを来春までのプランに掲げ「まずは捕手としての動き、体の使い方なりを覚えていくことが第一」と、かつての感覚を呼び起こす作業を最優先にしていく方針だ。
今季は初の開幕スタメンを勝ち取り、54試合に出場して打率・186、3本塁打で6打点。グラウンド外ではキャッチングの動画を研究するなど“自主練”にも励む。「責任を持って一個一個のサインを出していかないといけない役割。しっかりゲーム運びができる捕手になっていきたい」と二俣。夏の陽気が残る日南の地で、多彩な起用に応えられる土台を築く。





