追い込んだら即勝負が理想 高め要求の中途半端なウエストボールは「投手を苦しめるだけ」と安仁屋宗八氏
「巨人4-3広島」(10日、東京ドーム)
広島が巨人に敗れ6連敗。DeNAも勝ったため、CS圏がまたさらに遠のいた。同点で迎えた八回、リリーフ登板した3人目の島内が、先頭打者を四球で歩かせたのが響いて決勝点を献上。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は与四球対策として「ブルペンでの球数増」と、捕手の「ムダ球要求の見直し」を提案した。
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決勝点を奪われた原因は先頭打者への四球。一番やってはいかんことをやってしまった。これまでずっと指摘されてきた課題が、この試合でも出たという感じだ。
(広島は同点の八回に登板した島内が先頭の泉口を歩かせ、岡本に左前打。一死後、中山敬遠で満塁策をとったあと代打坂本の左犠飛で勝ち越された)
敗戦投手となった島内には、こういう命取りになる四球は今後二度と出さないぐらいの強い覚悟で臨んでほしい。来年のことではない。まだCSの望みが残っているからね。今シーズン中に克服すべきテーマですよ。
マウンドへ向かう前の心構えと集中力。当然、これは大事。しかし、それだけではないという気もするね。
私が言いたいのは先発、リリーフを問わず、投手陣はもう少しブルペンでの投球数を増やしたらいいんじゃないか、ということ。
はっきりした数字を把握しているわけではないが、ブルペンでの球数の少なさが、制球の乱れにつながっているのではないかな。
あまり投げなくても肩ができるタイプもいるだろうから人それぞれではあるが、温まるのが遅い投手は少し投げ込んでからマウンドに上ったほうが投球は安定する。
そして、もうひとつ言いたいことがある。
最近はカウントが有利になると、捕手が中腰になって高めボールゾーンの速球を要求する傾向にある。中途半端なウエストボール。しかし僕は追い込んだら即勝負、早め勝負が理想だと思うね。
制球に自信のない投手への“ムダ球”は投球を余計に苦しくさせるだけだから。
八回は満塁という厳しい状況で、坂本に対して1ボール2ストライクからこのウエストボールを要求していた。そのあとカウント2-2となってから勝負し犠牲フライですよ。
投手にはフルカウントにしたくないという心理が働くものだからね。ムダ球を挟むことで、甘くなる危険性が増すということ。七回にも見られたが、そういうリードが目についた。
ブルペンでの球数と捕手のムダ球要求。この二つは今後、見直す余地はあると思うね。





