広島・森 村上に痛恨被弾「あんなホームラン打たれたのは初めて」 新井監督責めず「相手が上だった」 7回2失点も5敗目

 7回、村上に勝ち越しソロを許す森
 4回、オスナの一ゴロで、ベースカバーに走る森(撮影・市尻達拡)
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 「広島1-2ヤクルト」(15日、マツダスタジアム)

 広島の森翔平投手(27)が1球に泣いた。7回6安打2失点の力投を見せるも5敗目。同点の七回に相手主砲・村上に痛恨の勝ち越しソロを被弾し、これが決勝点になった。打線も左腕を援護できず、チームは2連敗となり、最下位・ヤクルトに対して5連敗。借金も再び10に膨らんだ。

 これが日本屈指のスラッガーの力か…。カープ戦今季初見参となった左打者・村上に左翼席上段にたたき込まれた。まるで右打者が引っ張ったかのような弾道のアーチ。マウンド上の森はぼうぜんと立ち尽くした。「あんなホームラン打たれたのは初めて」。ダイヤモンドを軽やかに一周する巨体を鯉党もあっけにとられて見つめるしかなかった。

 続投して迎えた1-1の七回先頭で村上とは対峙(たいじ)。内角を攻めて追い込み、フルカウントから真ん中低めの148キロ直球を強振された。「インコース構えの真っすぐが高さは良かったんですけど、少し中に入ってしまった」。驚異的なパワーを目の当たりにし、「(村上の)ちょうど手が伸びるところにいってしまった。もっと強くいけるというか、あそこでもう一個押し込めれば…」と悔やんでも悔やみきれない1球を振り返った。

 この日はスタートからフルスロットルで仕掛けた。初回は18球中14球が直球で最速は149キロを計測。「初回から飛ばしていこうと思っていた」。前回登板の7日・DeNA戦(横浜)は今季自己ワーストの3回6失点で立ち上がりに変化球を捉えられた。同じ轍(てつ)は踏まない-。反省を生かしてゲームメークは果たした。

 新井監督も「立ち上がりから今日は良かったと思うね。前回登板とは別人だったと思う」と左腕を高評価。村上からの被弾も「いい攻め方をしていたんでね。最後、真っすぐを逆方向にあれだけ飛ばされるというのは相手が上だったんじゃないでしょうかね」と責めることはなかった。

 ただ、これでチームは最下位・ヤクルトに5連敗。シーズン残り38試合となった中、ヤクルトとはチーム別では最多となる11試合も残されている。その差はまだ5ゲームあるものの、このまま相性の悪さが続くようなら上位再浮上はおろか、最下位転落の可能性もないとは言い切れない。

 この日のスタメンは森も含めて全員が20代の選手。指揮官は「やっぱり打とうが打たまいが、エラーしようが何しようが、彼らはすべてが経験」と力を込めた。若い力を結集させて、この難局を突破するしかない。

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