広島・新井監督「リスクを覚悟してやっていかないと」 打線組み替えも不発、13戦連続3得点以下 ファビアン&モンテロ気迫も

 6回、二盗を決めるファビアン(撮影・市尻達拡)
 7回、ヘッドスライディングするもアウトになるモンテロ
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 「中日2-1広島」(11日、バンテリンドーム)

 戦いの場を名古屋に移しても悪い流れは断ち切れなかった。広島は接戦を落として今季3度目の4連敗。5月2日以来の借金2となり、リーグ戦再開後は13戦連続3得点以下で得点力不足は深刻度を増している。新井貴浩監督(48)は苦悩を明かしながらも悲観することはなかった。

 気迫は見えた。だが、結果はついてこなかった。1点を勝ち越された直後の八回2死一、二塁の好機でモンテロの力ない打球は遊撃前へと転がった。モンテロは巨体を揺らしながら一塁にヘッドスライディング。身を投げ出すようにベースに倒れ込んだが判定はアウトとなり、「力みはないけど、打ちたい気持ちはすごくある。打ってなくてすごく悔しい」と息を吐いた。

 0-1の六回にはファビアンも一塁へヘッドスライディングを敢行。1死一、三塁で三塁前へのゴロとなったが、執念のプレーで併殺を阻止して一時同点とした。直後には二盗を敢行し、再びヘッドスライディング。助っ人コンビが見せた現状打開への強い思い。新井監督も「『なんとか…』という気持ちが出ていたと思います」と受け取った。

 しかし、執念や気迫だけではこじ開けられないほど、得点力不足は深刻だ。チームは交流戦終了後のリーグ戦再開から13戦連続3得点以下にとどまっている。打線の鍵を握っている助っ人コンビも7月はファビアンが打率・205、モンテロは・235と湿り気味。この日は2人とも通常ならば屋内で行っている試合前打撃練習をグラウンド上で行い、変化を求めた。モンテロに打撃の助言もしていた朝山打撃コーチは「(打線の)全部が落ち気味なのでしんどいところがあるけど、なんとか粘り強くやっていきたい」と目の前の難題にフォーカスした。

 首脳陣も手をこまねているわけではなく、日替わりで打線を組み替えて試行錯誤を重ねている。「固定して戦うのが一番理想なんですけど(今のチームは相手と)がっぷり四つに組んで、『よし来い!』という感じじゃない」と新井監督。「何か動かして、リスクを覚悟して起用にしても采配にしてもやっていかないと、というところですね。もちろん固定したいのはやまやまですけどね」と語る姿からは苦悩の色がにじむ。

 捉えた鋭い打球は多いだけに指揮官も「いいスイングができている選手は多かったね」と悲観しきってはいない。打てる手は打ちながらチーム全体がもがいているのが現状だ。今は波が来るのを信じて根気強くやっていくしかない。

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