広島・末包 プロ初2番で5・13以来の同点7号!新井監督起用に発奮 「初回のまずい守備があったので」と挽回に燃えた

 6回、左越えソロを放ち、表情を崩す末包(撮影・市尻達拡)
 6回、左越えソロを放つ末包
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 「広島2-2ヤクルト」(1日、マツダスタジアム)

 広島は延長12回、4時間を超える熱戦の末、2-2でヤクルトと引き分けた。2点を追う四回、坂倉将吾捕手(27)が右越えに反撃の3号ソロを放つと、六回にはプロ初の2番で起用された末包昇大外野手(29)が同点の7号ソロを左翼席に運んだ。末包は5月13日・巨人戦以来、約1カ月半ぶりの一発。首位・阪神とは4ゲーム差に広がったが、まだまだ射程圏。熱い戦いはこれからだ。

 ライナーで伸びた末包の打球は、失速することなくフェンスを越えた。勝てなかったが、この一発がなければ負けていたかもしれない。プロ入り初の2番に入った男が、貴重な同点ソロで存在感を発揮した。

 1点を追う六回先頭で吉村の真ん中カットボールを強振した。「当たりは良かったけど角度がなかったので、とりあえず(外野の頭を)越えてくれと思いました」。祈りながら見つめた白球は、そのまま左翼席へ。5月13日・巨人戦以来、約1カ月半ぶりの一発で試合を振り出しに戻した。

 この日はプロ初の2番でスタメン。アマチュア時代も「記憶にないですね」と話した。「楽しみにしていたんですけど、初回のまずい守備があったので」と、自身の守りに目を向けた。

 初回は1点を奪われ、なおも2死一塁で山田の飛球が右翼に飛んだ。末包は落下地点まで追い付きながら、グラブに収めることができずに適時二塁打となった。「正直、あそこで点を取られていなければ、自分の本塁打が決勝打になったかもしれない。トコさん(床田)に迷惑をかけた」と自戒の念を込めた。

 スタメンで出ている以上は守備も怠ってはいけないと自らに言い聞かせるからこそ「本塁打を手放しには喜べない。しっかりと締めていきたい」と挽回に燃えた。

 新井監督は2番起用の意図に「初回に長打のある選手に必ず(打順が)回ってくるので、相手も嫌だと思うし今年は頑張って四球も取っている。ワンヒットで(本塁に)帰って来られる走力もあるということで2番に入れた」と説明した。

 本塁打が出ない時期が続いたが、末包自身は焦ることなく過ごした。「打球自体は上がってなかった。だけど、打球を上げようと思えば上げられるかという簡単なものではないので。そこは我慢しながら。打撃フォームの面で角度をどうやってつけていけばいいかを考えながら、実戦の中でやっていました」。

 5月の月間打率は・224。「いきなりホームランを打てるように、なることはない。その中で6月はマイナスを“プラマイゼロ”にしていって、そこからプラスに積み重ねていく作業だった。それがいい方向に向かったのかなと思います」と末包。上昇の兆しを示した右の長距離砲が夏場の戦いを支えていく。

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