広島・床田 今季3度目完封!自己最多&自身初の無四球で決めた 新井監督「床田さまさま」104球でDeNA斬り5勝目
「広島3-0DeNA」(25日、マツダスタジアム)
あっぱれ!広島の床田寛樹投手(30)が自己最多となる今季3度目の完封勝利を飾った。無四球完封は自身初。シーズン3度の完封勝利は球団では2023年の九里亜蓮以来、左腕に限れば02年の高橋建以来23年ぶりとなる。チームは今季日曜のマツダスタジアムで5戦全勝となり、3位に浮上した。
拍手喝采に包まれた本拠地の中心で、ようやく床田の表情が緩む。ポーカーフェースを崩さず、淡々と腕を振って九回2死。最後の打者、佐野を左飛に仕留めると、女房役の坂倉と抱擁を交わして勝者の列に加わった。わずか104球。シーズン3度目の完封勝利は自己最多で、無四球での達成はプロ初。「うれしい」と充実感たっぷりに勝利の味をかみしめた。
初回は無死一塁で牧を遊ゴロ併殺。四回も無死一塁から再び牧を三ゴロ併殺に料理して、ピンチの芽を摘み取った。最大の勝負どころは3点リードの七回。無死一、三塁でオースティンを迎えた場面だ。
チェンジアップで空振りを奪うと、2球目の直球で三ゴロに仕留めた。宮崎にはフルカウントから真ん中にツーシームを投げ込んで見逃し三振。「3点あったので、四球の方が(良くない)。とりあえず『ストライク入れ』と思って投げた」。冷静に状況を見ながら2死を奪い、最後は蝦名を三ゴロ。主導権は最後まで渡さなかった。
最速は149キロ。加えて「チェンジアップが良かったですね。最近ずっといい。今までは困ったらツーシームしか投げない感じだったけど、今日は途中、チェンジアップを挟んだりできた」と好投の要因を明かした。
そのチェンジアップは今季から本格習得。精度が向上した理由は「僕もどうやって投げているか、あんまり分からないので…」と苦笑する。「あんまり練習もしていないけど、勝手にいいところにいっている」と話すから驚きだ。
学生時代の特技はボウリングで、最高スコアは276。「中学の時はマイボールとマイシューズを持っていましたね。サッカー以外の球技は、一般の人よりできると思う」。生まれながらの器用さは、投球全体にメリットをもたらしている。
24日は雨天中止となり、この日はスライド登板で九回を一人で投げ抜いた。26日はチームの移動日で、ブルペン陣に“3連休”を与えたことになった。新井監督は「床田さまさまだった。何も言うことはございません」と絶賛した。
リーグ2位タイの5勝目と、順調に白星を重ねる。「(完封は)またチャンスがあれば。まずは試合を壊さないこと」と控えめな床田。左のエースは、さらなる上昇カーブを描いていく。





