広島・内田 大暴れ4安打5打点 全打席でファーストストライクをスイング 新井監督「いい意味でガツガツしている」
「練習試合、阪神0-11広島」(16日、バイトするならエントリー宜野座スタジアム)
覚醒間近じゃ!広島・内田湘大内野手(20)が16日、練習試合・阪神戦(宜野湾)に「8番・三塁」で先発出場し、4安打5打点の大暴れを見せた。15日の練習試合・ヤクルト戦から全打席でファーストストライクをスイングする積極性もアピール。新井貴浩監督(48)も迫力満点のフルスイングに賛辞を贈り、今後の躍進にも期待を寄せた。
間違いなく主役はこの男だった。宜野座に詰めかけた観客に見せつけた豪快なフォロースルー。打球が次々と外野に運ばれる度に、どよめきが起こった。ブレーク候補から一気に主力選手へ-。大勝の中で、内田がひときわまぶしく輝いた。
「自分が狙った球を一発で仕留められたので、よかったのかなと思います」
文句のつけようがない大暴れだった。まずは二回2死二、三塁で迎えた第1打席。ここで光ったのは配球を読む力だった。先発・伊藤将が投じた初球の外角低めへのツーシームを左前へ。「チャンスで初球から振りにいくというのは変わらず、でも初球、真っすぐじゃないだろうなという想定はあった」。2桁勝利を2度達成している左腕から、技ありの先制2点適時打を放ってみせた。
五回1死一、二塁では石黒の初球を捉え、右中間を真っ二つに破る2点適時二塁打。七回も1死一塁から、育成・松原の直球を強振し、左中間への適時二塁打を放つと、九回も川原から中前打と、4安打を全て違う投手からマーク。「右も左も球の速さも全部違う投手から打てたのは自信になった」と汗を拭った。
15日の練習試合・ヤクルト戦でも強烈な左前打を放っており、2試合で7打数5安打、打率・714と勢いは止まらない。絶好調を維持する中、注目すべきは全打席でファーストストライクをスイングしている点。「しっかりと準備して自分の間合いで打つことを心がけている。空振りとかも怖がらないように」。失敗を恐れない積極的な姿勢が功を奏している。
新井監督も賛辞の言葉を惜しまなかった。「いい意味でガツガツしている。そういう姿が伝わる。本人も何かつかみかけているんじゃないかな」と絶賛。今後は三塁で小園の実戦出場が増えていく中、「まだまだこれからどうなるか分からない。オープン戦に入ってからいろんな可能性を探っていきたい」と内田にも継続的に出場機会を与えていくことを示唆した。
今季が高卒3年目。昨秋キャンプからの振り込みの成果もあり、覚醒の気配が漂う。目指すところは開幕三塁かと問われると「そうですね」と即答した内田。20歳の大砲候補の才能が、一気に花開こうとしている。
◇内田 湘大(うちだ・しょうだい)2004年9月22日生まれ、20歳。長野県出身。183センチ、97キロ。右投げ右打ち。内野手。小海中、利根商を経て22年度ドラフトで広島に2位指名され入団。昨シーズン最終戦となる24年10月5日のヤクルト戦(マツダ)、「7番・三塁」で1軍初先発初出場。第1打席で左前にプロ初安打を放った。高校時代には通算36本塁打をマークした右の長距離砲。




