広島・田村 打撃改革 新フォームで長打より打率アップ 飛躍へ「使ってもらえるような選手に」
広島・田村俊介外野手(21)が、新フォームで2年連続の開幕スタメンとレギュラー奪取を目指すと誓った。今月上旬から鹿児島県内で松山らと合同自主トレ中。右足の上げ方を修正し、右手主導だった昨季までのスイングを左手主導に変更している。昨季は開幕スタメンをつかむも37試合の出場にとどまった。新外国人らとの激しい競争を勝ち抜き、定位置をつかみ取る。
飛躍を期すシーズンに向け、懸命にバットを振り込む姿があった。進化を図る今季。田村は「まずは、どんな形でも打率が残らないと使ってもらえない。長打より打率をしっかり上げて、使ってもらえるような選手にたどり着かないといけない」と目指すべき姿を明確にした。
その実現へ、今オフは新たな打撃フォームを作り上げている。まずは右足の上げ方。これまでは右膝を左足側にスライドさせていたが「上に上げるイメージでやっています」と変更。それによって「自然と壁ができる」とメリットを強調した。
昨年までの足の上げ方では、打ちに行く際に「我慢できず(体が)開いてしまっていた」と自己分析。新打法には昨年12月から取り組み「最初はめっちゃ違和感があった」と振り返るが、反復を重ねて違和感は消えつつある。「正しい形で踏み込めるようにしたい」と完全習得を誓う。
もう一点は、手の使い方だ。「今までは右手を上手に使おうと思っていた」。ただ、自身は左投げ左打ちの左利き。「左手を使わないと勝負できない。これまでは右で引っ張っていた。今は(球を)左でぶつけていこうという感じでやっている」と意識するポイントを変えた。右足と左手。それぞれに変化を加え、打力アップにつなげる。
昨年は37試合で打率・198、5打点。開幕スタメンをつかむも、1軍と2軍を行き来した。開幕当初は「攻められ方が(開幕前と)全然違って、自分が対応できなかった」と戸惑いがあったと明かす。それでも、9月23日の1軍再昇格以降は29打数8安打、3打点と存在感を発揮した。
再調整期間では不振時の修正方法に重点を置いた。「短くバットを持ったりノーステップとか、調子が悪い時に何を使って調子を上げていくのかが分かった」と自分の打撃の引き出しが増えたことを収穫と捉えた。
昨秋キャンプから一塁守備にも挑戦中だが、外野のレギュラー奪取を見据える。主力の秋山、野間に加え、新外国人のファビアンとライバルたちは強力。末包や中村奨も控えている。「去年も開幕スタメンだったのでまずはそこに目標を置く。去年は全然ダメだった。開幕からいいスタートを切れるような準備をしたい」と田村。理想の打撃を構築した先に、飛躍の二文字が見えてくる。





