広島・ケムナ 右肘クリーニング手術から復活へ春季キャンプでブルペン再開 手術経験者の森下の助言「ゆっくり、ゆっくり」
広島のケムナ誠投手(28)が28日、春季キャンプ中のブルペン投球再開に意欲を示した。9月に右肘クリーニング手術を受けたが患部の回復は順調で、現在は7割程度の強さでキャッチボールが行えるまでに。今季、最優秀中継ぎとブレークした島内の活躍を励みに復活を目指す。
表情は明るい。手術を受け、右肘に残る大きな傷口が時折うずくことはあるが、気にならない。復活へ向けてはっきり見え始めた道筋。ケムナが上る復帰への階段は順調そのものだ。
「しっかりメスを入れたけど、痛みもほぼなく、傷口周りがうずうずするくらい。でもそれは聞いていたので大丈夫です」
筋力トレーニングやランニングなど、ほぼ全てのメニューに制限はない。キャッチボールこそ全力ではないものの、35メートルの距離を7割の力で投げられるまでに回復した。状態を確認した上で来年1月に遠投を行う予定で、春季キャンプ中のブルペン投球再開のメドも立った。
9月に右肘のクリーニング手術を受けた。リハビリ過程では焦る気持ちをグッとこらえてきた。「森下を食事に誘ったんです」。オフに入り、昨年10月に自身と同様に右肘の手術を受けた右腕からの助言が大きかった。
「早く治したい気持ちがあったけど『とにかくゆっくり、ゆっくり』と。最初は違和感が続くからというのも聞いた」
森下の1軍復帰は5月。万全での昇格を目的とし、春季キャンプからゆっくり調整した。1軍合流後はローテの軸としてフル回転。ペースを抑えた調整がチーム2位の9勝につながった。「焦って早めに調整するとチームに迷惑をかける」。説得力を持つ森下の言葉を実践する。
仲の良い島内の活躍を励みにしている。島内は今季セットアッパーとしての地位を確立し、球団初の最優秀中継ぎ賞を受賞した。「島内は去年22試合しか投げられなくて、苦しんでいたのを見ていた。今季の活躍はうれしいし、刺激になる。俺もやれるという気持ちになった」。来季は共にブルペンを支え、勝利の一翼を担いたいという気持ちが強くなった。
年明けは広島で自主トレに励む。1月中旬以降の最終検査を経て春季キャンプを迎える。「一日一日をしっかりと過ごしていきたい」と前を見据えた右腕。150キロ超の直球で打者をねじ伏せる投球復活へ視界は良好だ。




