広島 矢崎&島内&栗林 右腕トリオそろって0封 盤石リレーに新井監督「何も問題ない」

 「練習試合、広島東洋カープ2-0伯和ビクトリーズ」(8日、マツダスタジアム)

 広島は8日、マツダスタジアムで社会人の伯和ビクトリーズと練習試合を行い、七回から矢崎拓也投手(28)、島内颯太郞投手(26)、栗林良吏投手(27)がそれぞれ1回を無失点。レギュラーシーズン同様の必勝リレーで、CSファーストSへの準備を整えた。頼れるブルペン陣が短期決戦でも勝利のバトンをつなぐ。

 リリーフ陣の強固さは短期決戦の強みになる。レギュラーシーズンで数々のピンチをくぐり抜け、何度もチームを救ってきた男たち。矢崎、島内、栗林の右腕トリオがそろって実戦登板し、万全の態勢を整えた。

 まずは矢崎が七回、3番から始まる相手打線を三者凡退に片付けた。続いて八回は島内が1回無失点。最速154キロの直球を主体に投球を組み立て、格の違いを見せつけた。最後は2点リードの九回、栗林が得点圏に走者を背負いながらも本塁を踏ませず、無失点リレーを完成させた。

 矢崎、島内、栗林。3人ともCSの舞台に足を踏み入れるのは初めてになる。守護神・栗林はDeNA打線に対し「右打者で長打のある打者が多いので注意したい。その前に走者をためないことが一番大事」と流れを寸断させる投球を描いた。

 矢崎は初のポストシーズン登板に向けて「気負い過ぎたり、プレッシャーで自分の力を出せないことが悔しいことだと思う。とにかく自分の力を出せるように」と意気込んだ。

 持てる全てをマウンドで発揮する。そのスタンスは図らずとも島内も同じだ。「不安半分、楽しみ半分が率直な感想。どうなるか分からないですけど、いつも通りを心がけたい」と特別視することなく、シーズンの延長と捉えて臨んでいく。

 今季はチームトップの62試合に登板し、リーグトップの42ホールドポイント。自身初となる最優秀中継ぎ投手のタイトルを確定させており、大躍進の1年となった。

 今季、自身が登板したDeNA戦の映像は「たまには見ます」と話すが、固執はしない。「その場その場で試合が動いていく対戦。それにとらわれ過ぎないようにと思っている」。過去に執着せず、目の前の打者をいかに封じるか。一瞬一瞬に全てをささげ、アウトを積み上げていく構えだ。

 3投手の登板に新井監督は「何も問題ない。いい時間だったと思いますよ」と笑顔。まずはファーストSという第一関門突破へ、鉄壁救援陣が本拠地のマウンドで躍動する。

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