カープ栗林 球団初の新人から3年連続10セーブ 球団3組目!1シーズン2桁S2人
「広島東洋カープ6-3読売ジャイアンツ」(19日、マツダスタジアム)
広島・栗林良吏投手(27)が偉大な記録を打ち立てた。3点リードの九回を無失点に封じて、今季10セーブ目。球団史上初となる新人から3年連続2桁セーブを達成。抑えを務めてきた矢崎が出場選手登録を抹消された日に、かつての守護神が存在感を発揮した。チームは今季、土曜日のマツダスタジアムで10戦全勝。4年ぶりに巨人戦の勝ち越しも決めた。
ストライクを奪うたびに、スタンドから拍手が注がれた。気迫を込めた11球。栗林は最後のアウトを奪うと、グラブをたたいて喜びを表現した。仲間とのハイタッチが心を潤してくれた。
この日、抑えを努めてきた矢崎が出場選手登録を抹消。練習中に抑えで起用する旨を伝えられた。その最初のマウンド。「やっぱり緊張感もありますし、プレッシャーというか、『やらなきゃいけない』っていう気持ちはすごく強い」と使命感を増幅させて3点リードの九回に登板した。
先頭の代打・長野を151キロ直球で押し込み、右飛。続く門脇は152キロ直球で空振り三振に斬った。そして最後は途中出場の浅野も、フォークでバットに空を切らせて2者連続三振。文句なしの投球で締めくくった。
今季10セーブ目で新人から3年連続の2桁セーブ。球団史上初の偉業となった。「本当、チームのおかげ」と仲間に感謝した。「10セーブを挙げていますが、失敗する数の方が多いと思うので。そこは気にせず与えられたところで頑張りたい」。これまでと変わらず、目の前の試合で全力を尽くす気持ちを強調した。
チームにとっては、矢崎が不在の中で迎えた最初の試合。「何試合も出番がないより、1試合目で出番が来て良かった」と息をついた。クローザーの苦しさは何度も経験してきた。不安など全く感じさせず、周囲に安心感を与えられるたくましさが、栗林にはある。
プロ1年目は53試合に登板して37セーブ、防御率0・86で新人王に輝いた。当時の開幕前、抑えで起用されることが決まると「不安な気持ちとプレッシャーで、押しつぶされそうなぐらいだった」と懐かしむ。不安と向き合いながら努力を重ね、チームにまた一つ名を残した。
新井監督も「安心して見ていました」とニッコリ。栗林は今後に向け「矢崎さんが戻ってくるまで、情けない姿は見せられない。しっかり仕事ができるように」と頼もしい心意気。阪神の優勝マジックは27に減ったが、奇跡を信じて一戦一戦、戦っていくだけだ。経験豊富な背番号20が、チームの屋台骨を支えていく。
◆球団3組目!1シーズン2桁セーブ2人 栗林が10セーブ目を挙げて、既に22セーブを記録している矢崎とともに2桁セーブ。球団の1シーズン2桁セーブ2人は1999年の沢崎俊和(14セーブ)&小林幹英(10セーブ)と2017年の今村猛(23セーブ)&中崎翔太(10セーブ)に続いて3組目。なお、セ・リーグでは21年ヤクルトのマクガフ(31セーブ)&石山(10セーブ)以来。





