広島・林 579日ぶり!推定140メートル弾 マツダスタジアム左打者最長「ほんまですか?感触はよかった」
「広島1-3中日」(23日、マツダスタジアム)
18日ぶりのマツダスタジアムだったが逆転負けで3連敗。9日以来の借金生活に逆戻りとなった。敗戦の中にあって光ったのが広島・林晃汰内野手(22)。二回、右翼2階席の看板に直撃する推定距離140メートルの特大弾で先制点を挙げた。2021年10月21日・ヤクルト戦(神宮)以来579日ぶりの一発は鯉党に輝ける未来を予感させた。
高々と舞い上がった打球。着弾前にスタンドのファンはもう本塁打を確信した。林の一発はそれほどに大きかった。
両軍無得点の二回先頭。カウント2-1からの福谷のスライダーを完璧に捉えた。右翼2階席「ひろぎん証券」の看板に直撃する推定飛距離140メートルの超特大の先制弾だ。
「1軍でホームランを打つのは久々なので、よかったです」
09年に開場したマツダスタジアムでは13年のキラ、昨年の阪神・佐藤輝と並び左打者の最長不倒となった。
「ほんまですか?(自己最長?)そうっすね。感触はよかったので」
チームが敗れたとあって、険しい表情だったが、これには思わず笑みがこぼれた。
21年10月21日以来、579日ぶりの一発。昨年は1軍からお呼びすら掛からなかった。
「気持ちの面でダメだった。我慢しないといけないところを我慢できなかったり、自分でキレてしまうところもあった。何やってるのかなと思った」
何をやってもうまくいかない中、「思い切ってトレーニングをやってみよう」とがむしゃらに鍛えた。100キロの体重はそのままに筋肉量をアップ。パワーと瞬発力を付けた。その成果が今、打撃の結果へとつながっている。
九回にはマルティネスの156キロを右中間にはじき返す二塁打。得点にはつながらなかったが、強さは示せた。
102試合に出場した21年は人数制限があったため、マツダスタジアムのスタンドが埋まる光景は初めて。大歓声も初体験だ。
「やっぱりすごいなと思いました。この中でやるのを目標というか、イメージしてずっとやってきたので、それがよかったかな」
諦めかけたが、諦めず2軍で泥だらけになってバットを振った。だから今がある。
新井監督も「完璧に捉えてすごく大きな本塁打だった。マルティネスにもナイスバッティング」と絶賛した。
デビッドソンの故障離脱で巡ってきたチャンス。穴を埋めるどころか上回る活躍で一気にブレークへつなげる。