広島・栗林 開幕イケる 実戦復帰1回0封「ファンと一緒に」再出発 MAX151キロ
「オープン戦、ソフトバンク6-1広島」(24日、ペイペイドーム)
腰の張りでWBC日本代表を離脱した広島・栗林良吏投手(26)が24日、ソフトバンク戦で実戦復帰を果たした。六回からマウンドに上がり、1回1安打無失点。最速151キロを計測するなど、さすがの投球を示した。今後はNPB球への対応を開幕までの時間で高めつつ、広島の守護神としてファンとの共闘を誓った。
敵地に「ピッチャー、栗林」がコールされると、スタンドからは拍手が注がれた。カープの一員として上がった復帰戦のマウンド。栗林は握った白球を見つめて、大きく息を吐く。「ブルペンではあまり、ストライクが入っていなかった。だけどマウンドに上がると、ある程度ストライクが取れていた。ファンの方々の力を借りられた」。感謝の思いとともに再出発を切った。
6日の阪神と侍ジャパンの強化試合以来となる登板。先頭の栗原には初球149キロを捉えられて右前打を許したが、その後は落ち着いていた。
無死一塁でアストゥディーヨをカットボールで一ゴロ。1死二塁と得点圏に走者を進められたが、続くホーキンスはフォークで遊ゴロに料理した。ボール球になったが3球目には、この日最速となる151キロをマークした。
2死二塁では今宮をフォークで投ゴロに打ち取って1回1安打無失点。「ゼロで抑えられたのは良かった」としつつ「ファウルや詰まらせている感じがなかった。まだまだ自分としては、納得していない球はあった」。オープン戦初登板で開幕までに詰めるべき部分が明確になった。それが何よりの収穫だ。
代名詞のフォークには「自分のイメージするフォークは、もっと鋭く落ちてくれるフォークのイメージ。きょうは少し、ふわっとしたフォーク。投げていてそう感じた」。昨年末からWBC球への適応に時間を割いてきた中、今度はNPB球で自身がイメージする球を投げられるかがテーマ。投球を支える宝刀に磨きをかけていく。
残り期間での調整には「マイナスに考えることは何もない。プラスに考えていきたい」と表情は明るい。新井監督も「安心したという感じ。ナイスピッチング」とうなずいた。
25日の状態に問題がなければ、オープン戦最終戦のソフトバンク戦(マツダ)に登板予定。「声出し応援が始まって、すごく力になる。マツダで投げる時は、もっとすごい声援をもらいたい気持ちになった。ファンの皆さまと一緒に戦っていければ」と栗林。プロ3年目の今季、開幕に向け最善の準備を施す。