安仁屋氏【キャンプ総括】床田、大瀬良の状態の良さは本当に心強いよ
明るく楽しく、がむしゃらに-。新井貴浩監督(46)の、初めての春季キャンプが終わり、開幕へおよそ1カ月となった。1次・日南、2次・沖縄双方のキャンプをじっくりと視察したデイリースポーツ評論家・安仁屋宗八氏(78)が「合格点」と総括する一方、開幕までの課題も口にした。
まずは日南、沖縄を通じて感じたんだけど、新体制となって非常に「明るいなあ」というチームの印象だよね。
ただ、その中にも厳しさが必要で「“なあなあ”にならなければいいなあ」と思っていたんだけど、そういう僕の懸念を超えて、厳しさを前面に出す理由がないくらい、キャンプは上出来だった、というのが選手の仕上がりや新井監督の表情から伝わってきた。
特に選手からは、1次キャンプ打ち上げで菊池も言っていたけど、全員が「新井監督を男にしよう」、「新井監督を胴上げしよう」という気持ちで一致している感じを受けた。すごく一体感のあるチームになりつつあるよ。
個々に目を移せば、やはり仕上がりには差が出てきている。九里やアンダーソンはまだ状態が上がってきてないよね。
特にアンダーソンは、日本デビュー戦となった昨年5月5日の巨人戦で素晴らしい投球をして勝利を挙げたものの、そこからわずか2勝しか積み上げられず。
先月26日、中日とのオープン戦でも2被弾するなど2回もたずの4失点と苦しんだ。ただ、逆に言えば昨年は最初が良かっただけに日本の野球を軽く見たかもしれないが、今年は初の対外試合であれだけやられた分、「やってやろう」と切り替えられるんじゃないかな。
一方で床田、大瀬良の状態の良さは本当に心強いよ。
床田は同21日には130球の投げ込みを敢行して自身の復調に自信を持ったと思うし、アンダーソンと同じ中日戦でも2回を1安打無失点でしょう。巡り合わせで抑えることもあるけど、僕の目から見る限り、昨年の前半に劣らないボールを投げていたので、不安を完全に払しょくしたよね。
そして大瀬良。とにかくストレートの力強さが戻ってきた。やはりピッチャーの原点だからね。あのボールなら15勝くらいいけると思うよ。自信を持って、どんどんチームを引っ張っていって欲しい。
あとは、キャッチャー。打撃では坂倉が抜けてるけど、守備面、リード面では会沢、磯村がまだ上かな。特にリードで、坂倉はピッチャーにかかわらず、似たリードをする傾向にある。
裏返せば、伸びしろも大きいわけだから、もっともっと各ピッチャーの特性をつかんだ上できめ細かいリードを覚えていけば、会沢たちに追いつき、追い越すことができるはずだよ。





