黒田アドバイザー 広島ドラ1斉藤の投球を絶賛「素晴らしい球」 「まず慣れて」心構え説く
「広島春季キャンプ」(8日、日南)
広島のドラフト1位・斉藤優汰投手(18)=苫小牧中央=が8日、1軍キャンプに参加し、新井監督、黒田球団アドバイザーらが見守る前で捕手を立たせて25球を投げた。力強い球筋に指揮官らはにっこり。将来のエース候補が、潜在能力の高さを強く印象づけた。
大きく振りかぶり、ゆったりとしたフォームから腕を振った。見守った新井監督や黒田球団アドバイザーは、力強く、重そうな球質に目を細める。斉藤が1軍キャンプで直球のみ25球を投げ、ドラ1の素質を証明してみせた。
「すごい人たちがたくさんいる中で投げた。すごすぎてワクワクして投げられたと思います」。強い印象を残した“1軍デビュー”。さわやかな表情で振り返った。
投球練習のため、2軍から1軍練習に参加。坂倉を立たせて投げ込んだ。意識したのは力まずに体を動かしてリリースすること。「うまく体を使えて投げられた」。視線を独り占めした今キャンプ2度目のブルペン。平常心を保ち、自分の投球をする姿に頼もしさがあった。
投球後は黒田球団アドバイザーと言葉を交わした。
「すごい良い球がいっていると言ってもらえ、今の時点であまり飛ばしすぎないようにと言われました」
小学6年だった2016年の日本シリーズ。日本ハム戦で力投する背番号15の姿が記憶にある。憧れの存在からの言葉は励みになった。
黒田球団アドバイザーは若鯉の投球について「やっぱりドラフト1位だけのことはある。素晴らしい球を投げていた」と太鼓判。続けてプロとしての心構えを説いた。
「これからは野球だけ、仕事だけに全ての時間を使えるのは今までと違う。そういう部分で、まずプロ野球に慣れてほしい」
現役生活20年で日米通算203勝を記録したレジェンドの言葉。重みがあった。
マウンドを離れると投球練習中の森下をじっと見つめた。投げ下ろすスタイルは自身と重なる。脳裏に焼き付けた体の使い方などを今後に生かす構えだ。
新井監督は「やっぱりスケールが大きい投手だなと思った。大きく育てたい」と育成方針を語った。斉藤も「1軍の人と一緒にできたのはい良い経験になった。このキャンプでしっかり体づくりから意識してやっていきたい」と表情を引き締めた。
カープを背負う投手になるために、今は焦らず、じっくり土台を固めていく。
◇斉藤 優汰(さいとう・ゆうた)2004年5月27日生まれ、18歳。北海道出身。189センチ、91キロ。右投げ左打ち。投手。苫小牧中央から2022年度ドラフト1位で広島入団。高校時代は甲子園出場経験なし。直球最速151キロで変化球はカーブ、フォーク、スライダー。奪三振率が高い本格派右腕。





