カープ菊池「鉄人ロード」を歩む 金本氏ゲキ「体が大丈夫だったら、イケるよ」に発奮
広島・菊池涼介内野手(32)が6日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の3億円プラス出来高払いでサインした。今オフ、球団OBの金本知憲氏(54)から金言をもらったことを明かし、4年契約最終年となる来季は、新井貴浩監督(45)と選手のパイプ役も担って頂点を目指す。(金額は推定)
掛けられた言葉に、思わず背筋が伸びた。菊池は今オフ、広島市内の飲食店で金本氏と遭遇。その際、同氏から「『俺は37歳でキャリアハイだった』と聞いて『お前も体が大丈夫だったら、イケるよ』と言葉を掛けてもらった」と激励されたことを明かした。
金本氏は36歳シーズンの2004年に初めて打点王を獲得し、翌05年に自身初の40本塁打を放つなど、打撃3部門全てで自己最高成績を残した。「『体だけ本当に気を付けてやれば、長く(現役を)できると思うから頑張れ』と。もう一回、自分の体と向き合ってメンテナンスしながら、チームに貢献できるように」。偉大な先輩からの金言に発奮し、その背中を指針にしていく。
外野手だった同氏と二遊間の一角を担う自身の違いはあるが、追うべき背中であることは変わらない。「そういうふうに声を掛けられて『そうだな』と思うところもあった。現役でいるときは皆、長くやりたいと思っている。僕もそういうふうに、年を取ってもいい成績を取れるように、いい見本の方に声を掛けられたので頑張りたいなと思った」と実感を込めた。
今季は123試合で打率・262、6本塁打、45打点。守備では二塁手で10年連続10度目のゴールデングラブ賞に選出され、球団OBである山本浩二氏のセ・リーグ最長記録に並んだ。卓越した守備の技術と、状況を的確に見極めた打撃で新たなシーズンもチームを支える。
その来季は新井政権1年目。現役時代の指揮官とプレーした立場として「多少なりとも若い子たちのパイプ役、つなぎ役として監督としっかり会話しながら。何とかチームをまとめていきたい」と主力選手としての自覚を強めた。
秋季キャンプで指揮官はカープを家族と表現した。それに呼応するように「監督がやりたいこと、やっていきたいことを若い子たちにも伝えながら。それが一丸となれば監督が言う“一家”になると思う」と菊池。44歳まで現役を張った鉄人・金本氏の言葉を胸に刻みながら、グラウンド内外でチームを束ねていく。




