黒田氏 新井カープの〝知恵袋〟になる 球団アドバイザー就任「苦しんでいる子の力に」

 来季から広島の球団アドバイザーに就任するOBの黒田博樹氏(47)が1日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約を結んだ。球団と新井貴浩監督(45)から熱心なラブコールを受けた同氏は、若手投手に寄り添い、自らの経験を還元することに意気込んだ。新生カープの“知恵袋”となり、新井政権を支えていく。

 精かんな顔つきは現役時代と変わらない。スーツ姿の黒田氏は引き締まった表情で「自分のできる範囲、ペースで、しっかり自分なりに距離感を保ちながら、サポートしていければ」と新たな役職のイメージを膨らませた。

 現役引退後、球団の正式なポストに就くのは今回が初。「マツダに関しては、やっぱり勝負の場」だとし、1軍の環境からは一歩引いて、2軍に軸足を置く姿を思い描く。

 そこに重ねたのは自身の若手時代。「僕自身も入団して4、5年は結果が出ず、苦しい思いもたくさんしてきた。そういう意味で今、苦しんでいる子、なかなか結果に結びつかない投手に対して、少しでも何か力になれればという気持ちはある」と技術のみならず、考え方や壁の乗り越え方に至るまで、自らの経験を若手選手に還元していくつもりだ。

 根底にあるのはグラウンドで戦うナインへのリスペクト。「もちろんシーズンに入れば、ユニホームを着て戦っているので」と黒子に徹する姿勢を示す。ただ、手を差し伸べるための引き出しは抜かりなく用意する。

 「困った時、アドバイスがほしい時に、自分なりのしっかりした返答ができる準備はしておかないといけないと思う。それは監督、コーチだけではなく、選手に対しても常にそういう準備はしておかないと」。チーム全体の“知恵袋”となって尽力していく。

 盟友・新井監督からは「本当に何度も、しつこいぐらいのお電話をいただいて、いつも切り際には『お願いします』しか言われなかった」と、熱心な要請があったことを明かした同氏。球団としてオファーした鈴木球団本部長は「彼は責任感が強いから、いっぱい動くのでは。メンタル的な部分が多いかもしれないが、必要だというつもりで託した」と説明した。

 来春キャンプでの指導も含め、今後の予定は現時点で未定。「自分が経験してきたことが、少しでもプラスになれば」と黒田氏。日米通算203勝を積み上げた偉大な右腕が、多彩なメソッドで新体制をバックアップする。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス