広島“隠れ”3割打者の西川に期待 北別府氏「ぜひAクラス実現を」
広島・西川龍馬外野手(27)は規定打席数に届くのか。故障によるブランクの影響がが大きいが、打率は・305。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「たとえ届かなくても来年の弾みになる数字を残してほしい」と語る。
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今年の西川は、下半身の故障で長期間離脱していたのが響いているね。チームにとっも痛いけど、本人も悔しいシーズンを送っていると思う。
彼が戻ってくると打線全体に粘りが出てくるから、やっぱりその存在は大きいということだね。
故障明け後、予定よりも少し早めの合流になったけど、ヒットはコンスタントに打っている。打率はこのところ少し落ち気味だが、合流後に上がってはいる。
(西川は6月2日の日本ハム戦後チームを離れ、再度合流したのが8月6日。2カ月以上のブランクで規定打席数が足りなくなり、8月29日現在で打席数は328。残り22試合で最終的に必要となる443打席に到達できるかは、やや厳しい状況にある)
西川は動物的というか、天才的な打撃をするからね。ワンバウンドしそうな球をヒットにしたり、普通ではあり得ない打撃をする。あれは鍛えても身につかない能力。独特の技術だね。投手からすると、実に厄介な選手ですよ。
現状では規定打席数を満たしていないが、残り全試合に5打席以上立てば…現実的には難しいけどね。でも打数が少ない分、ヒット量産となれば一気にトップに立つ可能性もゼロではない。そう思って頑張ってほしいね。それがAクラス争いを勝ち抜く力になるかもしれないし。
現状を見ると5番が多いが、彼にはどんな打順でもこなせる器用さがある。何でもできるタイプだ。広角に打てるし、つなぎの役割も走者を返す役割もこなせる。2番以下の上位が向いていると思うけど、1番に入れば打席数は稼げるね。
野手にとって規定打席数はぜひクリアしたい大事な“ライン”でしょう。投手で言うと規定投球回数。これは先発投手の“原点”だからね。
野間も・317の高打率を記録しながら規定打席数に達していない。コロナ陽性となって離脱していたが、今年は好調を持続している期間が長く、力がついてきているように感じる。
西川にしても野間にしても、たとえ規定打席に到達しなくても、最後まで力を振り絞って、いい数字を残してほしいね。きっと来年につながると思うから。そして、この混戦のAクラス争いを何としても勝ち抜いてほしい。




