「広島５－３阪神」（２０日、マツダスタジアム）

　６３６日ぶりに手にした白星だ。薮田は喜びをかみしめながら勝利のグータッチに加わる。「本当に久しぶり。（チームを）勝ちにつなげられたことがうれしい」。２０年１０月２２日阪神戦以来の１勝。目尻を下げながら言葉を紡いだ。

　１－３の七回に登板した。西勇を一飛に打ち取ると中野は右飛。二回に右翼線へ適時二塁打を放っていた島田は、低めのツーシームで二ゴロに仕留めた。

　１４球で任務を完了。直後に味方打線が４点を奪い試合をひっくり返した。佐々岡監督は「テンポの良さ、リズムの良さ、そういうところが逆転につながった」とたたえた。

　４月に第１子となる男児が誕生した。「お風呂が一番好きだと思います。（手足を）パタパタ、パタパタしているんです」と右腕。日々成長する姿が何よりの原動力。記念球は「プレゼントします」と即答した。

　今カード初戦の１８日・阪神戦に先発する予定だったが、雨天中止を受けリリーフが仕事場になった。与えられた場所で結果を出し続けることで自らの道を切り開いてく決意を言葉に変えた。

　「負けを勝ちにつなげる投球を増やしたいし、投げるポジションも上げていきたい。中継ぎをやるなら勝ちパターンに入っていくくらいに」。強い気持ちでマウンドに立つ。