広島・ドラ4田村 一日限りの1軍で“プロ初打席初安打”佐々岡監督「素晴らしい」

 2回、二塁打を放つ田村(投手・遠藤)=撮影・北村雅宏
 2回、二塁打を放つ田村(撮影・北村雅宏)
 2回、左越えに安打を放った田村は二塁へ向かう(撮影・北村雅宏)
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 「広島紅白戦、白組2-3紅組」(12日、天福球場)

 広島のドラフト4位・田村俊介外野手(18)=愛工大名電=が11日、一日限りの1軍練習参加で紅白戦に先発し、“プロ初打席初安打”を記録した。二回2死一塁で遠藤の直球を捉えて左翼フェンス直撃の二塁打。逆方向へあと少しで本塁打という大飛球だった。和製大砲誕生への期待が大きく膨らむ一打だった。

 衝撃的な打球に球場がどよめいた。左打席から乾いた打球音を響かせると、左翼へ伸びた白球は正随の頭上を軽々と越える。フェンス直撃の二塁打。視線を独り占めした田村は、充実感いっぱいに表情を崩した。

 「いい感じに捉えられた。今年中に1軍に出たいという目標がある。第一歩をしっかり切れたと思います」

 この日が日南キャンプ最後の紅白戦だった。15日からの沖縄キャンプを前に、1軍首脳陣が入団前から評価が高い田村の打撃を見たいとリクエスト。11日に急きょ練習参加が決まった。

 ドラフト4位の高卒ルーキーは、紅白戦に白組の「7番・左翼」で先発。二回2死一塁からの初打席だった。遠藤が投じた4球目の外角直球を振り抜いた。逆方向への大飛球で高校通算32本塁打の長打力を発揮。今後への期待が膨らむ“プロ初安打”だった。

 球団関係者は「新人の左打者でいきなり逆方向へあんな打球を打った選手は見たことがない」とビックリ。佐々岡監督も「打撃練習を見たときに違うなと。素晴らしいし、楽しみ」と声を弾ませた。

 若鯉が目指す選手像はパイレーツ・筒香だ。少年時代、DeNAで活躍する大砲に目を奪われたのがきっかけだという。「逆方向へ強い打球を打てるのがすごいと思った」。筒香の打撃を研究し、投球を手元まで引きつけたり、軸足となる左足股関節に体重を乗せたりすることを意識する。この日の一打は理想に近い打球だった。

 プロの洗礼も貴重な財産になった。塹江と対戦した2打席目は打ち気を悟られ、スライダーで空振り三振。「打ち始めから体が前に突っ込んでいた」。左翼の守備では三塁へ悪送球し失点のきっかけとなった。打球処理後の何げない送球だったが、改めてワンプレーの重みを胸に刻んだ。

 今回は一日限定の1軍練習参加。13日からは再び2軍で汗を流す。「1軍で活躍される選手は本当に隙がない。1球で仕留める力は本当にすごい」。緊張感ある1軍の輪に入り手にした収穫と課題。高い潜在能力を示した未来の和製大砲は、全て成長の糧とする。

 【田村俊介アラカルト】

 ◆生まれ 2003年8月25日。京都府舞鶴市出身の18歳

 ◆サイズ 178センチ、90キロ。左投げ左打ち。外野手

 ◆球歴 5歳から共楽少年野球クラブで野球を始め、舞鶴市立中舞鶴小から明徳義塾中へ進学。愛工大名電では入学直後からベンチ入りし、3年夏に甲子園出場。1回戦・東北学院戦に「3番・投手」で先発。投手としては2回1/3を2失点で降板。打者としては八回の右中間ソロなど2安打を放つが3-5で敗戦。高校では最速145キロ、通算32本塁打

 ◆50メートル走と遠投 6秒2、100メートル

 ◆好きな言葉 結果が全て

 ◆趣味 釣り。地元でアジ、タイ、サワラなどを釣る

 ◆尊敬する人 母校・愛工大名電の先輩、イチロー氏(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)

 ◆好きな野球選手 パイレーツ・筒香嘉智

 ◆好きな芸能人 賀来賢人

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