広島・栗林の新球に大賛成 北別府氏「秘密兵器は使わなくても効果を発揮する」

 広島・栗林良吏投手(25)が新しい球種となるツーシームの修得を計画している。必要か不要か。まだ決断には至っていないようだが、デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「新球に挑戦するのは大賛成。たとえ実戦で使わなくても気持ちに余裕ができるから効果がある!」と悩める後輩にアドバイスを送った。

   ◇  ◇

 栗林が新しい球に挑戦する考えをもっているようだね。まだ、どうするのかはっきり決まっていないようだけど、私としては“その試み、大いに結構”と言っておきたい。

 (これまでの報道では「覚えられたら投球が楽になる」「捕手や打者目線の意見も聞きたい」「今の球種だけでいいと言われたらやめる」という挑戦理由と揺れる気持ちが伝えられている)

 彼の持ち球は直球とカーブ、フォーク、カットボールかな。これにツーシームが加わることになるわけだね。

 ツーシームはいわゆるシュート系の球。カット系の球にこれがプラスされれば、投球の幅がより広くなる。武器として、持っておくに越したことはないと思うよ。

 本人は“まだ若く、プロ経験の浅い今の段階で楽をする投球に走っていいのか”というところに迷いを感じているのではないだろうか。

 人によって考え方に違いがあり、変化球に頼るとスピードが落ちるという意見もある。決して間違ってはいないし、何でもかんでも手を出せばいいというものでもない。

 しかし、いずれスピードは落ちてくるし、コントロールも甘くなってくる。それは避けようがない。今年の勢いが来年も続く保証はないからね。転ばぬ先の杖として新球をマスターしようというのは、将来を見据えたいい思考だと思う。

 今回、なぜ彼が新しいボールを覚えたいと思ったのか。恐らくそれは“自分には何か不足するものがある。決めたいと思ったところで決めきれなかった”という反省から来ているのではないか。

 (1年目の今季は新人最多タイの37セーブを記録し、防御率は0・86。ほぼ失敗なしのストッパーぶりでチームに大きく貢献した。その一方でシーズン終盤はフォークボールが落ちきらず、苦しむ様子も見せていた)

 プロ野球のシーズンは長いからね。ましてやまだ入ってきたばかりで将来も長い。高い意識をもって、いろいろ試すことには大賛成だね。

 新しい球を投げるのなら、オフのうちから握りやリリースの感覚など、ボールになじんでいた方がいい。

 自主トレやキャンプでも、キャッチボールや投球練習で“必要な遊び”として投げてみるのも、いい気分転換になるし、新しい発見につながるもの。

 それと、練習しても期待したほどの変化がなければ、マスターするまでムリして使う必要はない。試合で1球でも投げて、相手に見せておくだけでも効果はある。

 極端に言えば、持っているだけで使わなくていいんですよ。心にゆとりができるだけでも大きな武器。そのうち強力な秘密兵器になるかもしれないしね。

 プロの世界を1年経験し、あれだけの素晴らしい結果を残したにもかかわらず、栗林はまだ自分に何が足りないかを感じ、追求しようとしている。この姿勢は立派のひと言に尽きるね。やっぱりただ者ではないな。

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