新人王の広島・栗林 自律-社会人1年目 監督からの言葉で成長「自覚が足りない」

 「NPB AWARDS 2021 supported by リポビタンD」が15日、東京都内で開催され、セ・リーグの最優秀新人賞に広島の栗林良吏投手(25)が選出された。広島の新人王は昨年の森下に続き2年連続11人目。新人最多タイの37セーブに防御率0・86と驚異的な成績を残した守護神が、大きな栄誉を手にした。

  ◇  ◇

 トヨタ自動車に在籍していた2年前の7月25日、栗林は東京ドームのマウンドに立っていた。社会人1年目での都市対抗野球、JFE東日本との決勝戦。先発して3回3安打2失点でチームは敗れ、準優勝に終わった。実は登板前から内転筋に違和感があり、大事を取って3回で降板することになった。

 大会が終わって地元・愛知県に戻ると、藤原航平監督(42)から言われた。

 「ケガをしたのは悪くない。でも色んな人たちが試合を楽しみにしているんだよ。トヨタを背負って戦う。その中で、ケガをするのはエースじゃない。自覚が足りないんじゃないか?」

 一人のアスリートとして不測の事態は避けられない。だからこそ練習からコンディションを万全に整えることが肝要。そして日頃の練習でも、チームメートの模範となる姿を求められた。マウンドに立てば、皆がその姿を見る。痛い、かゆいを言わないのが中心選手の責任。そして藤原監督は、期待を込めて言った。

 「来年は、お前がエースなんだぞ」

 それ以降は、これまで以上に自分を律して野球と向き合った。入念にトレーニングも重ね、藤原監督が「グラウンドを走る姿一つにしても(変化を)感じました」と話すほど心身共に成長。プロ1年目、周囲の期待を背負い、クローザーというタフなポジションでシーズンを完走。謙虚で素直で、周囲から愛される25歳は、カープを背負えるほど立派な男になった。(デイリースポーツ・広島担当・向 亮祐)

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