広島・一岡 全球カットボールで3人斬り 来季開幕1軍へ“モデルチェンジ”

 「広島紅白戦、紅組2-4白組」(14日、マツダスタジアム)

 広島の一岡竜司投手(30)が14日、“モデルチェンジ”で来季の開幕1軍入りに意欲を示した。紅白戦2試合目の登板は1回をわずか4球、全球カットボールで三者凡退に仕留めた。変化球はフォークとカーブが主体だが、今はカットボールとシュートで横変化を加える投球に注力している。今季はプロ入り初の1軍登板なし。横の揺さぶりで巻き返しを狙う。

 置かれた立場を把握しているからこそ、過度に喜ぶことはない。見据えるのは来季の開幕1軍。ただ、その通過点で手にしたプラス材料が一岡の表情を明るくさせた。「1球も真っすぐを投げてないのが収穫です。オールカットボールで」。示したモデルチェンジが来季への指針になる。

 四回から登板し、先頭の矢野を初球で三ゴロ。続く羽月も初球で遊ゴロに仕留め、最後は中村奨を2球目で投ゴロに打ち取った。4球全てカットボールで勝負。「真っすぐに見えるカットボールで、こっそり活躍できたらいいなと」。バットの芯を外し、狙い通りにアウトを重ねた。

 元々は直球でファウルを打たせ、追い込むとフォークを低めに落とす投球スタイル。その従来のスタイルは消さず、この日披露した横変化を新たな“引き出し”にする。佐々岡監督も「(打者の)目線を変えられるので」とベースの横幅を生かした投球を評価した。

 カットボールとシュートは持ち球だが、比率は少なかった。この日はカットボールのみで「右の外、左の内にしっかり投げ込めた。横の幅を使う自覚はあるが、真っすぐあっての横幅。真っすぐで勝負する時はするし、横の幅も使う」と青写真を描く。今季はプロ10年目で初の1軍登板なし。縦から横への変化は、苦境を乗り越える打開策になる。

 体は元気なのに、1軍昇格の日が訪れなかった今季について「悔しさと寂しさが半々」と率直な心境を吐露。17年からは2年連続で59試合に登板し、3連覇を支えた。ただ、経験に縛られるつもりはなく、新たな挑戦で未来を切り開く構えだ。

 秋季練習前、指揮官は実績ある中堅組に対して「彼らも正念場」とアピールを求めていた。その言葉を胸に腕を振った。「監督さんが正念場と言っていたので、お昼ご飯も食べずに正念場と思って頑張りました。まず、来年1軍で投げたい。目立たなくていい。こっそり活躍できたら。それが理想です」。謙虚な言葉の中に、覚悟がにじむ。開幕1軍へ、しぶとく食らいつく。

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