広島の高卒新人右腕・小林樹斗に大物の予感?北別府氏「イキのいい投手がいたものだ」
広島の新人、小林樹斗投手(18)が今季ラストゲームのヤクルト戦に先発して話題を提供した。プロ初登板は四回途中降板となったが村上、山田らから6奪三振。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「イキのいい投手がいたものだ」と素質の高さに目を見張った。
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小林はラッキーだったね。最後の最後にチャンスをもらって、しっかり自分をアピールしたんじゃないかな。
まだまだ出来上がってはいないが、変化球に頼らない、自分の持ち味を出したピッチングだったと思う。
直球はスピードがあって、152キロ出ていた。逃げずにどんどん向かっていったのも好感がもてた。ファームに、こんなイキのいい投手がいたんだね。
(小林は昨年度のドラフトで智弁和歌山から4位入団。11月1日の今季最終戦にプロ初登板先発デビュー。結果は3回2/3で6安打、2四球、6失点=自責4。四回途中でマウンドを降りたが、村上から2三振、山田や塩見からも三振を奪うなど6奪三振で素質の高さを示した)
相手からすれば、見たこともない投手だから、面食らって空振りしていたけど、カット系や落ちるボールもうまく混ぜて打ち取っていた。
走者が出てから連打や四球が見られたけど、今もっている力を出し切ったのではないかな。実は、この出し切るということが大事なんです。
ベンチの意図はそこにある。順位も決まっており、経験を積ませるのが目的で結果は求めていない。一番よくないのは打者と勝負できずに降板すること。
6安打され、バックの失策もあって6点を失ったけど、打たれたという体験も貴重。1軍は甘くないということを実感できただろうし、なぜ打たれたかを反省する材料も得たはずだ。
そういう意味では、本当にいい経験になったと思う。
実は私も入団1年目の9月に巡ってきた初登板は、同じ神宮でのヤクルト戦だったんですよ。七回二死からマウンドに上がり、最初の打者が投手の松岡弘さん。
当時の古葉監督が配慮してくれたんでしょうね。アウトを取りやすい相手から登板させようと。結果は三振だったから。
この年は最終的に2勝することができたけど、狙いは翌年への準備だったんだよね。本当にいい経験をさせてもらいましたよ。
この経験があったから、プロ野球で結果を残すことができたと思ってます。翌年、ローテーションに入り5勝することができた。
古葉監督が私に期待してくれたように佐々岡監督も、入団して1年もたっていない小林の大いなる成長を頭に描いているはず。
村上から2三振、そして山田や塩見からも三振を奪ったんだから大したもの。この先、ヤマもあれば谷もあるだろうけど、太く大きく育っていってほしいね。




