広島 高橋大樹が戦力外 誠也の同期12年ドラ1、現役続行目指しトライアウトへ

広島から戦力外通告を受け、心境を語る高橋大(撮影・立川洋一郎) 
新入団発表に臨む(前列左から)高橋大、野村監督、鈴木誠、(後列左から)辻、上本、美間、下水流、森下=2012年12月13日 
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 広島は3日、高橋大樹外野手(27)、桑原樹内野手(25)、永井敦士外野手(21)の3選手に来季の契約を結ばないと発表した。高橋大は2012年度ドラフト1位で入団し、19年にはプロ初本塁打を記録したが、1軍に定着できなかった。今後はトライアウトを受け、現役続行を目指す予定。同期入団で同い年の鈴木誠也外野手(27)は寂しい心境を語りつつ、エールを送った。

 赤いネクタイを締め、スーツ姿でマツダスタジアム内の球場事務所に現れた。待っていたのは戦力外通告。高橋大は時折、目を潤ませながら、こみ上げる思いを言葉に乗せた。「しんどいことが多かった。全く打てずに悩んだ時期も多かった。でも、頑張っていれば、ちょっとだけどいい思いもした」。しみじみと9年間を振り返った。

 龍谷大平安では3年夏に甲子園出場。高校通算43本塁打を放ち、鳴り物入りで2012年度のドラフト1位で入団し、お笑い芸人のほんこんに似ていることから「ほんこん」という愛称で親しまれた。また、高卒新人ながら入団時には新井貴浩氏らがつけた背番号「25」を与えられ、同年度同2位で入団した同学年の鈴木誠とともに右の長距離砲として活躍を期待された。

 ただ入団後、鈴木誠がメキメキと頭角を現し、日本の4番を担う球界屈指のスラッガーへと成長を遂げた一方で、高橋大は伸び悩んだ。高卒2年目に1軍デビューを飾り、18年に初安打、19年に初本塁打をマーク。しかしプロ9年間で一度も1軍に定着できず、今季は1軍出場なしに終わった。

 同期の仲間と何かと比較される重圧も感じていたという。鈴木誠の存在については「実力の世界なので。あいつにないもので勝負しようと思ったが、どれも歯が立たなかった。比較するのは違うと思います」と本音を明かした。

 思い出に残っているのは、プロ6年目で待望の初安打を記録した18年4月30日の阪神戦(マツダ)だ。この日は球団OBで高校の先輩でもある衣笠祥雄氏の追悼試合。喪章をつけて4年ぶりにスタメン出場を果たし、二回に左前打を放って初めて「H」ランプをともしたときの記憶が今も脳裏に焼き付いている。「全く1軍に上がれていなかったので、その1本は大きかった」と懐かしんだ。

 今後は12月に行われるトライアウトを受ける予定だ。「(球団からは)チャレンジするなら頑張れと言われた。残り1カ月。そこに向けてしっかりと準備したい」とNPBでの現役続行を強く望んだ高橋大。まだ27歳。わずかな可能性を信じ、万全な態勢を整えて決戦に挑む。

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