3年目の佐々岡カープへ 北別府氏「今年のヤクルトのような下克上を」
3年連続Bクラスが確定している広島は佐々岡真司監督(54)が来年も指揮を執る。後半戦に巻き返しての4位フィニッシュ。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「積極的に起用した若手の活躍が評価されたのでしょう」と語り、来季の“下克上”を期待した。
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カープは佐々岡監督続投という形で落ち着いたが、やっぱり若手の活躍が評価されてのことでしょうね。
今年は若い選手の積極的な起用が成功。就任3年目となる来年の采配には、私も大いに期待しているところです。
野手では小園、坂倉、林とシーズン終盤になって1軍昇格し、1番に抜擢されて結果を残した宇草…。起用した若い選手がそれぞれしっかりと成長の跡を見せた。
投手陣でも高橋昂也や玉村が芽を出してきた。ローテーションに入って高橋が5勝。玉村が4勝。来年への飛躍が十分期待できる投球内容だった。
新人の栗林や森浦の起用方法も的確だったと思うね。
大瀬良は“病み上がり”だったこともあり、大きな活躍は見られなかったけれど、要所では“さすがエース”と来年への期待を抱かせてくれた。
そして期待の九里が最多勝争いをできるまでになった。
今年の後半戦がよかったからといっても、機動力不足など課題も残っているし、単純に来年勝てるわけではないが、その可能性を秘めているのは確かだということ。
佐々岡監督には1年1年が勝負と思って、今年のヤクルトのような下克上を、来シーズンはカープがやってのけてほしいね。
現状を見る限りは1、2番が固定化されてきている。宇草の働きは評価できるし、小園は1年を通してコンスタントに活躍した。打撃に確実性が出てきてセンター方向への打球が多い。7打数連続安打とか1試合に5安打するなど、日に日に成長しているのが分かる。1年目は1軍で58試合に出場しながら2年目の昨年は、わずか3試合。ほとんど2軍暮らしだった。こうしてプロの厳しさを味わったのがよかったのかもしれない。守備範囲も広いし、よくここまで来れたと感心するね。
林は簡単に空振りしなくなってきている。球に食らいついてファウルで粘る。こういうタイプは投手に嫌がられるんですよ。結果、アウトになっても球数が増えるからね。私も嫌いだった。(笑)
坂倉はパンチ力が魅力。首位打者争いができるだけの率も残せる選手になった。
とはいえ、レギュラーを決めつける必要はない。ほかにも好素材の選手はいるはずだから、常に競い合わせることが大事だと思う。自分を脅かす存在がいれば、さらに力がついていくものだ。
今後もしかして、鈴木誠也が抜けるようなことがあったら…それは大変だけど、今までも大きな穴を埋める選手が育ってきたカープのことだからね。
今シーズンも残り2試合。29日と11月1日。相手は対戦成績で一方的にやられたヤクルト。順位は確定しているが、来年につながる、希望のもてる試合を期待しています。




