広島・正随 逆転3ラン! プロ初タイムリーから4打点 連敗「4」で止めた

 7回、左翼スタンドへ逆転3ランを放つ正随(撮影・立川洋一郎)
 7回、ナインの祝福に笑顔を見せる(撮影・立川洋一郎)
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 「中日3-5広島」(15日、バンテリンドーム)

 起死回生の一発だ!広島の正随優弥外野手(25)が値千金の1号逆転3ランを放った。負ければ、自力CS消滅の可能性もあった一戦でプロ初適時打を含む4打点の大暴れを演じ、チームの連敗を4で止めた。今季は新型コロナウイルスに感染するなど2軍生活が続いた未完の大器。3年目のブレークを目指し、今後もアーチを量産していく。

 悠然とダイヤモンドを一周し、ベンチに戻ると手荒い祝福を受けた。今季1号は起死回生の逆転3ラン。プロ初のヒーローインタビューを受けた正随は「入ったかどうか分からなかったが、確実に越えたなと思った。感触は良かった」と確かな手応えを口にした。

 2点を追う七回1死一、二塁。福の初球139キロ直球を捉えると、打球は左翼スタンド最前列に飛び込んだ。直前には小園が送りバントを試みるも失敗。三邪飛に倒れていただけに、重苦しいムードを払しょくする値千金のアーチとなった。

 前夜は5月12日・ヤクルト戦以来となるスタメン出場。プロ入り初めて3番に座ったが4打数無安打に終わっていた。「ふがいない結果だったので、何とか取り返してやろうという気持ちで入りました」。つかんだチャンスは逃さない。見事な一撃をお見舞いし、大仕事をやってのけた。

 佐々岡監督は「この2つは左(投手)というところで最初から正随と決めていた。ダメならというところもあった中、本当によく打った。大きな一発だった」とたたえる。五回には2死一、二塁で笠原から右前適時打。プロ3年目、通算15試合目で待望のプロ初タイムリーを記録し、反撃ののろしを上げた。

 今季は不運に襲われた。3、4月のファーム月間MVPを受賞。5月上旬に1軍昇格し、ブレークを期待されたが、同17日に新型コロナウイルスに感染。その後は状態が上がらず2軍生活が続いた。「このままではダメだなと思ってガラッと変えようと。タイミングを上で取っていたのを下(半身)に変えた」。それが功を奏して夏場に調子を上げると、ウエスタンでは打率・293、リーグ2位の11本塁打を記録。地道にコツコツとやってきたことが結果につながった。

 敗れれば自力CS進出の可能性が消滅する危機にあったが、若鯉の活躍で5試合ぶりの複数得点。連敗も4で止まった。練習前には鈴木誠らから「思い詰めるな」と助言をもらい、「いろいろ教えてもらった。結構、効いてます」。先輩の言葉を力に変えた未完の大器が、ブレークへの道を突き進む。

 ◆正随 優弥(しょうずい・ゆうや)

1996年4月2日生まれ、25歳。広島県出身。180センチ、98キロ。右投げ右打ち。外野手。背番号49。今季推定年俸750万円。大阪桐蔭から亜大を経て、2018年度ドラフト6位で広島入団。プロ2年目の20年9月8日・ヤクルト戦(マツダ)で初出場(代打)。同年9月18日・ヤクルト戦(神宮)で初安打が初本塁打。名字の「正随」は日本で最も人数が少ない姓として、テレビ番組で特集されたことがある。

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