広島・森下また勝てず 石原慶幸氏が投球内容を分析「守りに入っていた」
「広島8-7中日」(7日、マツダスタジアム)
広島・森下は5回2/3を投げ4失点。後半戦初勝利を目指したマウンドで今季ワーストの9安打を浴び、無念の六回途中降板となった。デイリースポーツ評論家の石原慶幸氏(41)は「大事にいこうという意識が強すぎて守りに入った投球になっていた」と指摘した。
◇ ◇
立ち上がりから森下の投球には丁寧にいこうという意識が感じられた。そういう中で初回に鈴木誠の先制2ランが出た。後半戦に入って勝てていないこともあり、このリードを守り切らないといけないという気持ちがより強くなったと思う。
ところが、四回は会沢に盗塁を刺してもらった後の2死から連打を浴びて福留にストレートの四球。続く高橋に適時打を浴びた。六回も先頭の大島に四球を与えたことが失点のきっかけになった。
試合展開を考えても、いずれも四球を出してはいけない場面だったし、森下自身もそのことは十分に分かっていたはず。にもかかわらず歩かせてしまったのは「大事にいこう」という意識が強すぎて守りに入ってしまったからだと思う。
守る気持ちを持つことは決して悪いことではないが、同時にそこには攻めていく気持ちも入ってこないといけない。「攻め勝つ」という意識だ。この日の森下は攻める意識よりも守る意識の方が強すぎてしまったことが、出すつもりもない四球につながり、また勝ち星を手にできない結果にもつながった。
今、彼が置かれた状況は大変苦しく、なかなか気持ちも前向きにはなれないだろう。しかし、だれもが通る道でもある。この試練を乗り越えることが今後のさらなる成長の糧になる。