「オープン戦、ヤクルト０－１１広島」（１７日、神宮球場）

　広島先発陣２０２１バージョンが、はっきりと見えてきた。１７日のヤクルト戦（神宮）に先発した広島の床田寛樹投手（２６）が４回１安打無失点、２番手で登板した中村祐太投手（２５）が４回２安打無失点とそれぞれ好投し、佐々岡監督が両者の開幕ローテーション入りを明言した。１８日に１軍合流する野村にＧＯサインが出れば、ローテが完成する。

　それぞれが己の力で開幕ローテの座をたぐり寄せた。まずは先発の床田だ。二回、先頭の村上に遊撃への内野安打で出塁を許すも２死一塁からけん制で刺す。三回は２死一、二塁と得点圏に走者を進めたが、青木を二ゴロに。「２アウトから四球を２つ出している。内容的には良くなかった」と言いつつ、冷静沈着な投球が光った。

　中村祐も負けじと腕を振った。直球と武器のスライダーを軸に無四球と安定した投球を披露。六回は無死一塁から太田、山田、村上を全て直球で３者連続三振に斬った。「真っすぐも変化球も良かった」と表情を緩めた。

　佐々岡監督は左腕を「真っすぐと変化球が腕を振った中で勝負できていた」と評価。右腕については「前回よりはいい。独特のスライダーでタイミングをずらせていた」とたたえた。２人の追試は合格かという問いに「そうですね。一応、次のファームに投げてということになりますけど。油断せずにしっかりと調整をしてもらいます」と話した。

　これで開幕ローテは大瀬良、九里、森下に両者を加えた５人が確定。開幕投手の大瀬良が２６日の中日戦（マツダ）に登板し、２７日の同戦で九里が先発する見込み。また、試合終了後に指揮官が１８日から野村が１軍に合流することを発表した。２１日のソフトバンク戦に先発が濃厚。他に遠藤や矢崎などの候補もいるが、一発回答で結果を示せば、そのまま中６日で２８日、先発する可能性が高い。

　２カード目の初戦となる３０日の阪神戦（マツダ）には森下が登板する見込み。３１日と４月１日の同戦に床田と中村祐が登板することが濃厚だ。

　先発陣の大枠が見えてきた。「少しでも引っ張っていけるようにやっていきたい」と床田。中村祐は自身初の開幕ローテに「他にいい投手はいっぱいいる。抜かれる世界でもあるので、満足せずに上を目指してやっていきたい」と気を引き締めた。

　ともに苦しみながらもついにつかんだローテの座を最後まで守り抜いていく。