「練習試合、広島０－７ロッテ」（１６日、コザしんきんスタジアム）

　広島のドラフト６位・矢野雅哉内野手（２２）＝亜大＝が１６日、ロッテとの練習試合（コザしんきんスタジアム）に「８番・遊撃」でフル出場し、攻守でアピールした。二回に“プロ初安打”を放つと、自慢の守備でも２度の好プレーを披露。開幕１軍入りへ、ルーキーが実戦で存在感を示していく。

　鋭いまなざしで白球に食らいついた。見せつけたのは球際の強さと軽い身のこなし。矢野が自慢の守備力を披露し、バットでも３打数１安打。「思ったより自分の動きができていた」と初の対外試合を振り返った。

　まずは守備。二回１死一塁で、山口の詰まった打球はマウンド後方へ飛んだ。併殺が難しいと思われた打球を素早く捕球し、体を反転させて二塁に送球。６－４－３の併殺を完成させ「自分が動いている最中に（二塁の）羽月が声で呼んでくれた。その声で思い切ったプレーができました」と感謝した。

　三回は先頭・佐藤都の中堅へ抜けそうな打球に「いいスタートが切れた」とダイビングキャッチ。一塁送球をクロンが捕球ミスしてアウトにはできなかったが、果敢なプレーでアピールした。

　打撃では、二回２死二塁でカウント１－２から大嶺の内寄り直球を中前へ運んだ。二走・大盛が本塁で憤死したため打点は付かなかったが、うれしい“プロ初安打”となった。

　ただ、３打席ともファーストストライクを見逃し「どうしても結果にこだわって自分の打てるボールを待ってしまった。打ちに行った中で（見逃す）というのがなかった」と唇をかむ。朝山打撃コーチも「全球、打ちに行けと言いました」と積極性を求めた。

　開幕１軍を目指し「どんどんアピールできたら」と矢野。攻めの気持ちを胸に、ライバルとのサバイバル競争を勝ち抜いていく。