広島・鈴木誠「とりあえず優勝。自分の成績はどうでも」“鯉4番”の男気激白

 広島の鈴木誠也外野手(26)が新春インタビューに応じ、2021年シーズンへの思いを語った。2年連続Bクラスに沈んだチームへの思いや胸の内を明かした。

  ◇  ◇

 -昨季は結婚して迎えた初のシーズン。精神面でも奥さん(スポーツキャスターの畠山愛理さん)に支えられたのでは。

 「気は使ってくれていたのかなと。無駄にあんまり話しかけてこないでくれたりとか。僕、あんまり家でしゃべらないので」

 -試合で嫌なことがあっても、家には持ち込まない?

 「基本は球場でシャットアウト。早く切り替えられた時は早く帰るし、長いなと思ったらそのままこっちにいて、気持ちが落ち着いたら帰るようにしてます。そのうち、ここ(球場)で寝泊まりしているかも(笑い)」

 -チームが勝った日も、気持ちを落ち着かせるのに時間がかかる時がある?

 「勝った日はあんまりないかも。もちろん自分の反省はしますけど、負けた時より、しんどくないかな」

 -自分が打ってもチームが負けると。

 「なんか分からないけど、イライラしてくるので、それが収まるまでは帰らない」

 -感情が出るのは闘志を前面に出すプレースタイルでもある。

 「僕もそこまで成長できていないので、成長できるようにしたいなと。イラッとして顔に出てしまうので、そこは直したい部分。どうしたらいいのか、そういう面に関していろいろ試しているんですけど」

 -イライラを出さないように心掛けているのはチームを思っての行動。自分の成績を考える時期は過ぎた?

 「自分の成績はあんまり考えたことがない。元々、昔からそれを考えるとダメになるのは分かっている。昨年も順位が決まって3割や本塁打王を(周囲に)言われ始めた時から『こういうの嫌なんだよな』って思っていた。ただ3割は絶対打たないといけないと思っていた。苦しかったですね。自分の成績を考えながらやるのは楽しくない」

 -個人で負けても、チームで勝ちたい?

 「シーズン中はチームが勝てばいい。結局、勝たないと評価されないので。チームが上の方の順位にいれば、個人的にもそれなりの成績を出していると思うし、そっちの方が評価される。(優勝を経験して)そう思います。(野球は)チームで一つになってやるスポーツなので個人成績に目を向けられるとホントに面白くない」

 (続けて)

 「勝てればいい。みんなで一つになって、勝ちに進んで行くようなのが、やっぱりいいですね。自分の成績はどうでもいい。『終わって良ければよし』という感じなんです。僕がもし優勝して、3割に乗らなくてもそれでいい。もちろん悔しいかもしれないですけど、とりあえず優勝できればいいと。たぶん(巨人の)岡本もそうだと思うんです」

 -岡本のインタビューなどでそう感じる?

 「自分の中では納得してないと思うんですけどチームが優勝して、ああやって言える気持ちは分かります。逆にジャイアンツが5位、6位だと、たぶん悔しいと思うので」

 -昨季は若手も台頭した。年齢に関係なく教えられることは教えたいという思いは。

 「あんまり隠したいとか、『この選手が良くなったら自分が抜かされちゃう』という意識は全くない。むしろみんな打ってほしいし、打った時の喜びというのは打った人にしか分からない。そういう思いをしてもらいたいし、ずっと打ったり3割乗ったりホームラン打ったり、(本塁打を)20本以上打てたり、その喜びとかをみんなに味わってもらいたい。人それぞれ打ち方も特徴もあるので全部が全部当てはまらないかもしれないけど、自分から伝えられることは伝えて、みんなで活躍して頑張りたいという気持ちが強い」

 -若手が台頭した昨年。突き上げがないという話もしていたが。

 「それは感じますね。僕より年下で出ているのは坂倉が出てきたぐらいで、外野手、内野手ではいない。そういう選手たちが出てこないとチーム的にキツいかなと思う」

 -優勝争いを続ければ、逆に若手を1軍で起用しにくい面も。

 「やっぱり優勝とかしていると、どうしても若い選手が出にくい場合もある。チームには悪いですけど、こういう状況(2年連続Bクラス)だからこそ若い選手たちが経験できる部分もたくさんある。そこはプラスに考えなきゃいけないと思う。僕は(昨年)5位で悔しいんですけど、若い選手たちはそうじゃないと出られない可能性があるので。そういう時に、少しでも結果を出せたことは自信にしていいんじゃないかなと思います」

 -3連覇してここ2年Bクラス。

 「危機感はないですね。弱い時にも得るモノはたくさんある。ファンの皆さんには申し訳ないですけど、実際1回優勝して、そのあとはBクラスが多かったわけで。いろんなことを得て優勝できている。一生悪いということはないと思うので、ここでいろんな選手がいろんなことに気づけるためにも、やっぱりこういう時期は必要。僕自身もそうですけど、負けて気づくこともたくさんある」

 (続けて)

 「今ジャイアンツが強いですけど、僕たちが優勝しているときはずっと優勝できていなかったわけで、あのジャイアンツでもそうなったり、逆にカープが優勝や3連覇という状況になったりもする。だから負けていても得るものがある。これをプラスにするかマイナスにするかは自分次第だと思うので、僕はプラスに考えてやりたいなと思っています」

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