広島・中村祐887日ぶり勝利 遠回りの成長「これが最後という気持ちで」

 堂林(右)からウイニングボールを受け取る中村祐(撮影・高石航平)
 4回のピンチを脱し、松山(右)に頭をなでられる中村祐
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 「ヤクルト4-6広島」(4日、神宮球場)

 887日ぶりの復活星だ!広島の中村祐太投手(25)が5回1失点の好投で、2018年5月1日・巨人戦(マツダスタジアム)以来の勝利を挙げた。17年には5勝をマークし将来を期待されたが、不振に陥り、2軍暮らしを強いられた。崖っぷちに追い込まれていた今季7年目の右腕は、この1勝から再び輝きを取り戻す。

 及第点の投球は、もう要らない。喉から手が出るほど、勝ちたかった。同じ失敗は繰り返さない。肌寒く感じる神宮の秋風が、中村祐を優しく包み込んでくれた。苦境を乗り越え、用意された晴れ舞台。やっと心の底から笑えた。みんなが待っていた復活星。2018年5月1日以来887日ぶりに白星をつかんだ。「会沢さんのミット目がけて一生懸命腕を振りました」。

 今季2試合は、いずれも初回先頭打者に被弾。その初回は2死一、二塁のピンチを迎えたが、坂口をスライダーで三ゴロ。“三度目の正直”で立ち上がりを無得点に封じた。

 2-1の四回は、安打と四球で無死一、二塁。「1点取られても同点というぐらいの気持ちで」と投じた結果、西田とエスコバーを変化球で連続三振。最後は山崎を内角直球でバットに空を切らせ、3者連続三振で勝機をグッと引き寄せた。

 プロ4年目の17年に5勝を挙げ、新星のごとく頭角を現した。ただ18年は3勝で昨季の1軍登板は、わずか2試合。不振で2軍暮らしが続いても、鍛練を積み、出番が訪れることを待った。またグラウンド外でも、1軍昇格を目指し、自分を高めるために読書に時間を割いた。

 自己啓発本から大リーグ・エンゼルスの大谷翔平について書かれたものまで、自身を高めようと積極的に手に取った。高校時代は「漫画ばかり読んでいた」と苦笑。ただ高校時代に一冊の本と出会えたことが、自身を変える契機になった。

 高校の監督から勧められたのは、元サッカー日本代表主将・長谷部誠の「心を整える」という著書。「まわりの評価を気にし過ぎると自分にもストレスになるから、まずは自分のメンタルを整えないとプレーに影響すると書いていた。いい本に巡り会えたな、とその時思って。今までにない発想というか」

 土俵は違えど、同じプロのアスリートから学んだ思考法が右腕を支えてきた。悲壮感を力に変えた。佐々岡監督は「勝ったことをこれからのプラスにしてほしい」とさらなる活躍に期待を寄せた。

 遠回りした分、大きく、強くなれた。「一試合一試合、これが最後だという気持ちで」。帰ってきた中村祐太がファンに笑顔の花を咲かせていく。

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