広島スコット来日初先発実らず最下位転落 佐々岡監督「難しいかな」2軍落ち
「広島3-5巨人」(1日、マツダスタジアム)
広島が9月7日以来となる最下位に転落した。元守護神のテイラー・スコット投手(28)が来日初先発したが、立ち上がりから巨人打線につかまった。結局4回4安打4失点でKOされ、3敗目。配置転換で新味発揮とはいかなかった。2日からは神宮に乗り込み、5位・ヤクルトとの3連戦。気持ちを切り替え、まずは最下位脱出を目指すしかない。
真っ赤に染まった鯉党が試合終了前に早々と球場を去る姿が目立った。追いつけそうで追いつけない。拍手は次第にため息へと変わっていき、もどかしさだけが残った。
首位巨人に連勝できずカード負け越しとなり、9月7日以来となる最下位に転落。借金は再び今季ワーストタイの13となった。佐々岡監督は「やっぱりまずは先発から。先に点を取られると後手後手になる。チームのリズム、雰囲気が上がってこない」と表情を曇らせた。
再起とはならなかった。チームは10連戦中でこの日はローテの谷間ということもあり、元守護神の新助っ人にチャンスが巡ってきた。来日初先発したスコットだが初回、2死一、二塁から丸に左前適時打を浴び、先制点を献上。三回には1死一塁から坂本に右中間フェンス直撃の適時二塁打を浴びた。
四回は先頭の中島とウィーラーに連続四球。2死二、三塁までこぎつけたが、吉川尚に右前2点適時打を浴び、さらにリードを広げられた。結局4回4安打4失点で降板。与えた四球は4つで、全体を通じてボール先行の投球が自らの投球を苦しめた。
試合後、右腕は「疲労感も出て抑えることができず、降板してしまった。先発として必要なのは球数を抑えること。スタミナだと思う」と肩を落とした。指揮官は「コントロールがアバウトだった。左打者に対してなかなか勝負できる球がなかった。内に入って来る球を打たれている」とバッサリ。そして「現時点では難しいかなと。もう一度下(2軍)でやってもらう」と降格を明言した。
打線も巨人先発のサンチェスに対し、松山の2ランと相手失策で3点を奪ったが、畳み掛けることはできなかった。佐々岡監督は「一つずつという気持ちでやっていくしかない。みんな一生懸命やっている。乗っていけるようにまたあすから頑張ります」と前を向いた。きょうから神宮で5位・ヤクルトとの3連戦。最下位を脱出へ気持ちを切り替え、目の前の試合を勝つしかない。




