誠也弾でも勝てない…広島借金10 佐々岡監督「一つずつ返していくしかない」

 「阪神7-6広島」(13日、甲子園球場)

 広島は痛恨の逆転負けで今季2度目の同一カード3連敗を喫し、借金は2013年以来、7年ぶりの2桁「10」へ膨らんだ。先発陣の駒不足から“ブルペンデー”として臨んだ一戦。同点の八回に塹江敦哉投手(23)が陽川に痛恨の勝ち越しソロを浴びて勝負が決まった。15日からは本拠地に戻って中日と3連戦。地元で流れを変える勝利がほしい。

 打球を追う中堅・大盛が速度を緩めると、広島ベンチには重い空気が漂った。八回2死から痛恨の勝ち越し被弾。マウンドの塹江が必死に悔しさをかみ殺す。敗戦を決定付ける打球がバックスクリーン右に飛び込み、今季2度目の同一カード3連敗。借金は7年ぶりに2桁となる「10」へ膨らむなど、負の連鎖が止まらない。

 悲劇は終盤の八回。長打力のある陽川に2死無走者から一発を浴びたことが悔やまれる。1ストライクから、塹江が甘い148キロを振り抜かれた。佐々岡監督は「一発だけは警戒しないといけない場面。もったいない」と唇をかんだ。それでも「あのポジションは塹江の代わりは居ない」と若き左腕への信頼は揺るがない。

 先発投手の人員不足のため、この日は“ブルペンデー”として薮田を先発させた。初回に4番・鈴木誠の3ランで先制するが、直後に2四球が絡んで1点差に迫られ、主導権を握れず。「短いイニングなのでもうひと踏ん張りしてほしかったんだけどね。なかなかうまくいかないね」と指揮官は力なく嘆いた。

 5-5の五回には無死一、三塁から坂倉の遊ゴロの間に1点を勝ち越し。今カードは2戦で計1得点と打線が沈黙していた。だが2試合連続無安打の主砲が気を吐いた。田中広を2年ぶりに2番で起用し、しぶとい攻撃で計6点を奪った。それでも勝てなかった事実が重くのしかかる。

 塹江は「低めは意識したが、甘くなって本塁打になった」と唇をかんだ。ここまで13ホールドで勝ちパターンの一角を担う左腕を、責めることはできないが、今3連戦は投打の歯車がまったくかみ合わなかった。

 痛恨の同一カード3連敗で、阪神相手に5連敗を喫したのは10年ぶり。佐々岡監督は「一つずつ返していくしかない」と必死に言葉を絞り出した。前カードのヤクルト戦で5カードぶりの勝ち越しを決めたが、傷口はさらに痛みを伴って広がっていく。出口の見えないトンネル。現状を変える光がほしい。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス