広島守護神の菊池保は「緩急を使ったテクニックを」北別府氏がアドバイス
広島は先週の本拠地・マツダスタジアムでの巨人、ヤクルトとの6連戦で1勝4敗1分けと負け越した。19日のヤクルト戦では1点リードの九回に守護神・菊池保則投手が同点とされ、延長十回引き分けに終わった。菊池保の抑え起用に賛同するデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は「緩急を使ったテクニックを」とアドバイスを送った。
24試合を終えた広島は、9勝13敗2分けで首位巨人に6・5ゲーム差をつけられ、5位に甘んじている。北別府氏は「ここまでのゲーム差は、勝てる試合を落としているから」と分析する。
開幕で抑えに指名されたスコットは6月21日・DeNA戦(横浜)で1点のリードを守れずサヨナラ負けを喫した。今季は中崎、フランスアが不調で、佐々岡監督が抑えに指名したのが、昨年セットアッパーとして大車輪の活躍をした菊池保だ。
北別府氏は「スピードもあるし、球種も豊富でいいポジションにすえたと思う」と佐々岡監督の考えに賛同した。ただ、抑えになった菊池保の投球に「一本調子になっている。強い球をファウルで粘られ、カウントが悪くなって打たれている」と指摘した。
続けて「以前のセ・リーグの打者は追い込まれると当てるだけという打者が多かった。しかし、今の打者はパ・リーグの打者のように追い込まれても振ってくる。ならば緩いボールを見せていかにタイミングを外すかを考えないといけない」と緩急を取り入れることをすすめた。
北別府氏は「阪神の西勇輝はピッチングがうまい。長くボールをもったりクイックで投げたりしている」と先発と抑えの違いはあるが、打者のタイミングを外す例として挙げた。「今は160キロを投げても打たれる時代。緩い球を投げるのは勇気がいるが、抜いたり遊んだりすると抑えられる」とアドバイスした。
現状、菊池保は結果を出しているとはいえない。「そのあたりを考えたら心が病んでくる。打たれるんじゃないかと不安でマウンドに上がることになる。一つの方法としてぜひ緩急を取り入れてほしい」と話した。
7月20日は炎のストッパーと呼ばれた津田恒実さんの命日だった。「津田は球質が違った。真ん中高めを狙っているわけではないが、めいっぱい投げたボールが打者の手元でいかに伸びるかだった」と回顧した北別府氏。現役時代の抑え投手の名前を挙げ「津田は真っ向勝負だったが、大野さんにしても佐々岡にしても緩急を使っていた」という。菊池保がストッパーに君臨するには、緩い球をどれだけ投げられるかにかかっている。





