広島・野村23日阪神戦先発へ 今季初1軍「ようやくです」苦境のチーム救う
広島の野村祐輔投手(31)が20日、1軍に合流。マツダスタジアムで行われた投手指名練習に参加した。23日の阪神戦(甲子園)で先発する見込み。春季キャンプ中に右ふくらはぎを痛め、プロ9年目で初の開幕2軍という悔しさを味わった右腕が、チャンスを生かし、先発ローテ定着を勝ち取る。
頼れる男が帰ってきた。野村が今季初の1軍マウンドへ向け、静かに闘志を燃やした。
「ようやくですね。(悔しい思いを)ぶつけられるようにしたい」
道のりは長かった。春季キャンプ第1クールで右ふくらはぎを痛め、早々の離脱を余儀なくされた。地道なリハビリで順調な回復を見せたが、開幕には間に合わず、プロ9年目にして初の開幕2軍スタートとなった。遅れること約1カ月。ついに1軍合流にこぎつけた。
今季ここまで2軍では5試合に登板して1勝2敗、防御率2・92。全体的に序盤での失点が目立った。「立ち上がりと回の入り。そこは1年目からずっと課題。そこをスッと入っていければ乗っていけると思う」と注意を払う。
ファームでは力の入れ方やタイミングなど、投球の意識を変えた。また、オフ期間中に88キロあった体重を、この半年間で段階的に減量。現在は83~84キロぐらいまでに体を絞った。
先発陣が苦しんでいる。柱であるK・ジョンソンは1勝もできずに2軍落ち。明大の後輩であるドラフト1位・森下(明大)も10日にコンディション不良により、出場選手登録を抹消された。16日の巨人戦(マツダ)は先発の駒不足から“ブルペンデー”となるなど、2勝以上を挙げている先発がエースの大瀬良しかいない状況だ。チームも今季最多タイ借金4と、苦境に立たされている。
そんな中、野村は23日・阪神戦での先発が予想されている。「力も入るだろうし、いろんなことがあると思うが、冷静さをなくしたくない」と落ち着いた投球を心掛ける。横山1軍投手コーチは「競争心を持っていて当然だと思うし、楽しみな部分が多い」と期待を寄せた。
チームの先発陣では日本人投手最年長の31歳。「何とか引っ張っていけるように。自分でも悔しいですし、チームにも申し訳ないことをしたので、しっかりとできるようにやっていきたい」と投手陣を支える覚悟を示した。
結果を残せば、先発ローテ定着もありえる。「勝つしかない」と力を込めた通算71勝の背番号19が、チームの光となる。





