広島・堂林 意地の適時二塁打!完敗も地元の鯉党に変身ぶり披露 打率トップ維持
「広島2-7巨人」(14日、マツダスタジアム)
広島は巨人に敗れ、3連勝とはならなかった。この日は本拠地・マツダスタジアムでの有観客試合初戦。ファンの前で勝利はならなかったが、詰めかけた4987人の観客の前で堂林翔太内野手(28)が意地の適時二塁打を放って球場を沸かせた。今季ここまでマツダスタジアムでは1勝4敗。15日こそ地元の鯉党に白星を届ける。
踏み出した両足に、スタンドの熱気を感じた。打球が左中間を抜けると、球場はこの日一番の盛り上がりに包まれた。このまま試合を終わらせてはいけない。堂林はファンの思いをバットに込め、観客の願いを見事に体現した。本拠地で今季初の有観客試合。手ぶらで鯉党を帰らせるわけにはいかなかった。
意地を見せたのは六回だ。2死走者なしから6番・会沢が中前打で出塁し、打席が巡ってきた。マウンドには、この回から登板した巨人2番手・沢村。点差は7点に開いた劣勢ムードでも、堂林の集中力は研ぎ澄まされていた。
初球153キロ、内寄りの直球に、うまく体を回転させて反応した。「初球から積極的に打ちに行きました。いい反応で捉えることができました」。最後は左手一本でバットを振り抜き、左中間を見事に破る適時二塁打。巨人先発・菅野に対し、前の2打席は凡退していた。投手が代わったことで「切り替えていけた」と振り返った。
鯉のプリンスが披露した“一撃必殺”のスイングに、スタンドは大興奮。二塁ベースに到達した堂林の背中を、スタンドの大部分を占めるカープファンの拍手が温かく包んだ。これで3試合連続適時打と、チームの期待にバットで応え続けている姿が頼もしい。
続く八回の第4打席では、2死から高木の変化球を左前へ。得点にはつながらなかったが、早くも今季8度目のマルチ安打をマークし、バットの勢いは止まらない。
打率は・419とセ・リーグ唯一の4割台をキープしており、トップの座を守り続けている。佐々岡監督も「レギュラーを取るという気持ちでやっている中、結果が付いてきている。自信にしてほしい」と評価した。
八回からは右翼の守備にも就いた堂林。「一つでも多く、いいプレーをしたいという気持ちになります。がむしゃらに、一つでも(多く)ヒットを打てるように、泥くさくやっていきたい」とファンの声援を実感し、力に変えていくことに意気込んだ。球場に足を運んでくれるファンのため、チームのため、背番号7が快音を響かせていく。





