広島・松山6日1軍 2安打見届けた佐々岡監督「(開幕一塁)松山になる訳ではない」
「教育リーグ、ソフトバンク3-2広島」(5日、由宇球場)
広島の松山竜平外野手(34)が6日から1軍に合流することが5日、決まった。この日は教育リーグ・ソフトバンク戦(由宇)に「2番・一塁」でスタメン出場。視察に訪れた佐々岡監督の前で2安打1打点と状態のよさをアピールした。2月中旬に腰痛を訴えて戦線を離脱した鯉のアンパンマンが、開幕の一塁争いに参戦する。
由宇の寒空に快音が響いた。0-2の三回2死二塁で、松山が右前適時打を放った。簡単ではない球を巧みなバットコントロールではじき返す。勝負強さが光った一打は、万全なコンディションも物語っていた。
「腰は問題ない。しっかり動くことができています。ボールは見えているし、タイミングも取ることができている」
「2番・一塁」でスタメン出場。六回先頭では、2ボールからの甘い球を見逃さず右翼線へ二塁打を放った。2安打1打点。若鯉の前で主力選手としての存在感を示した。
この日は佐々岡監督が視察に訪れていた。試合後、松山は監督室に呼ばれた。「あした(6日)から1軍に合流。バットが振れているし走ることもできている」と指揮官。長距離砲の復帰にホッと胸をなで下ろした。
体に感じていた異変がピークに達したのは、沖縄キャンプ中の2月中旬だった。「腰痛は持っているんだけど、ここまでひどくなるのは久しぶりだった」。17日に沖縄を離れて広島へ。検査後、リハビリ組がキャンプを張る日南へ移動した。
スロースターター返上のため、オフは例年励んでいる体づくりではなく、打撃練習に注力した。すり足気味にするフォームが固まり、日南キャンプでは柵越えを連発。順調に進んでいた中での離脱だった。
「とにかく焦らないようにと心掛け、治療を受け、体をつくってきた」。実戦復帰した2月27日の社会人・ホンダとの練習試合では、復帰初打席でいきなり右越え3ラン。ブランクを感じさせない鋭いスイングだった。
開幕まで約2週間。松山が不在の間、一塁は堂林と安部がアピール合戦を繰り広げてきた。開幕戦の一塁手について、佐々岡監督は「帰って来たからと言って松山になる訳ではない」ときっぱり。誰が正一塁手の座を奪うのか。三つどもえとなった競争のゴングが鳴った。
「ケガをして遅れたけど、まだシーズンは始まっていない。アピールをしていきたい」。松山は前を向きながら言葉を紡いだ。鈴木誠の後を打つ5番として期待された背番号「55」の巻き返しが始まる。


