広島・遠藤 オーナー直々の助言を明かす「力伝わる。逆に去年より良くなった」

 「広島春季キャンプ」(17日、沖縄)

 広島の遠藤淳志投手(20)が、デイリースポーツの直撃インタビューに応じた。オフ期間にはセットポジションにフォームを変更したものの、今キャンプ中に松田元オーナー(69)からの助言で、従来のワインドアップを継続する方針を固めた。先発として開幕ローテーション入りを目指す右腕は、今季へ懸ける思い、昨季記録したプロ初セーブ時の秘話を明かした。

  ◇  ◇

 -ここまでのキャンプを振り返って。

 「新しいフォームに変えてから、納得いくものがあったり、なかったり。ちょっと考えて悩んだ結果、元のフォームに戻し、新しいフォームで教えてもらったことを取り入れようとしています」

 -オフは「鴻江スポーツアカデミー」(※1)に参加し、一度はセットポジションに変えた。経緯は。

 「昨シーズン終盤に投球のリズムが出ず、悩んでいました。(鴻江氏の合同合宿に)行かせてもらった理由は、ただたんにいったんゼロにして、トレーナーさんの言っていることを試してみようと。それで続けてみようかなというふうに思って始めました」

 -だが、日南キャンプでは思うような結果を出せずに苦しんだ。

 「考え過ぎていた部分もあった。ちょっと小細工じゃないですけど、細かいことばかり気にして。投げる前にフォームのことを気にして力強いボールが投げられなかったり、コントロールできなかったりしました」

 (続けて)

 「セットから投げにいくのも力が伝わりにくかったので変えたんです。9日の紅白戦で結果が出なくて(松田)オーナーから『去年結果が良かったんだし、もう一回そのフォームでやってみればいいのでは』と言われて」

 -オーナー直々にアドバイス?

 「投げ終わった後『戻してみないか。まだ大きな壁は立ちはだかっていないんだから。去年良かったフォームに戻して、考えてみないか』と言われて。そうですね、と言って翌日のブルペンでは元のフォームに戻して投げました」

 -オーナーに言われると、自分の中の迷いも吹っ切れる。

 「そうですね。外から見てもらっていて、去年のほうがいいと言われていたので」

 -セットポジションを経由してワインドアップに戻った。同じワインドアップでも昨年との変化は。

 「リリースポイントで100(の力)に持っていけるようになりました。力が伝わりやすくなった。(オフの合同合宿で)教えてもらったことも取り入れて今はやっているので、逆に去年より良くなっていますね」

 -今のプロ野球では、振りかぶる投手が減った。ワインドアップは誰かの影響か。

 「ピッチャーをやるようになった最初からワインドアップでした。高校で一度セットで投げたけど、しっくりこなくて…。やっぱりピッチャーって、一番魅力があるところじゃないですか。ピッチャーが投げて始まる。そこを大事にしたい」

 -去年は中継ぎで34試合に登板。中継ぎの経験で見えたものは。

 「先発が崩れたらその分負担も大きい。だから中継ぎには負担を掛けないように。毎日(肩を)作ったりするので。そう思うと、先発というのはいろんなところへの責任があるし、自覚を持って投げないといけない」

 -理想の投手像は。

 「ポーカーフェースで完投できるピッチャーですかね。僕の考えは、ピッチャーから始まってピッチャーが最後投げて終わるという考えなので」

 -昨年、一番印象的だった登板は。

 「初セーブ(※2)が印象的というか、試合を3人で締めた時にファンの方々の歓声がすごいなと思った。それを初めて味わって、やっぱりいいなと。うれしかった。ファンの方々がいるからこそ頑張れるというか。頑張らなきゃいけないですし、もっともっとという気になる」

 -セーブが付く場面でのマウンド。自分の一球でチームの勝敗が左右される重圧は。

 「1点差だったのでホームランを打たれたら同点ですし、2本打たれたらサヨナラ(負け)。今思えば、『よー投げたな』と思います(笑い)。でも楽しかったです。どこで投げても、責任感というのはずっと大切に持っておかないといけない」

 -入団1年目にチームは優勝。昨季は1軍戦力としてBクラスを味わった。チームの歯車となって優勝したい思いは強いのでは。

 「1年目はテレビで優勝の瞬間を見させてもらって、チームの輪に入りたいと思って2年目のシーズンをスタートさせました。昨年は戦力として考えてもらって、勝ち試合でも投げさせてもらった。その中で4位というのは僕も悔しい気持ちでいっぱいでしたし、だからこそ、今年に懸ける思いは誰よりも強いかなと思いますね」

 -そのためにはローテーション入りが必要になる。数字的な目標は。

 「開幕ローテーションに入って、先発でたくさん勝ち星を付けて、自分のためにやることもそうですけど、チームのために1つでも多く勝てるようにという思いで投げていきたい。1年間投げれば10勝はいかないといけないと思います。いいプレッシャーをかけられるように、自分に厳しくやれればいいかなと思っています」

 (※1)技術指導や動作解析に精通する鴻江寿治トレーナーが主宰。ソフトバンク・千賀が師事しており、遠藤は合同合宿に1月14日から16日までメンバーに加わっていた。

 (※2)19年8月24日の中日戦(ナゴヤドーム)で5-4の延長十回から登板し、3人を斬った。同21日のヤクルト戦ではプロ初勝利も手にしており、中2日で2度、投手としての喜びを味わった。

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