長野が攻守でV演出2位に1差 「チョーさんの大きかった」緒方監督称えた

 「広島3-2阪神」(8日、マツダスタジアム)

 広島・長野久義外野手(34)が移籍後2度目の決勝打を放ち、2カード連続勝ち越しへいざなった。「4番・左翼」で出場し、0-0の三回に左前へ決勝の2点適時打。守備でも三回に美技を披露した。チームは主催試合の観客動員数が5年連続5度目の200万人を突破した一戦を白星で飾り、2位・DeNAとのゲーム差を1とした。

 これぞ千両役者だ。白球が三遊間を抜けると、割れんばかりの歓声が響き渡る。長野が先制V打をマーク。移籍後初のお立ち台に上がり「ちょっと遅くなって申し訳ない気持ちしかないです。すごく大きな声援をいただいて、すごく感謝しています」と長野らしく謙虚に喜びを口にした。

 最高気温33・3度。残暑のデーゲームでも長野には関係なかった。三回2死満塁。カウント2-2から岩貞の6球目、チェンジアップに反応すると、2者が生還。「2アウトからみんながつないでチャンスを作ってくれたので、走者をかえすことができて良かった」。5試合連続安打と2試合連続適時打は、ともに移籍後初だ。

 ここ6試合で4度目の「4番」。「(4番に座る重要度は)大きい。誠也の後だから」(東出打撃コーチ)という打順で、「いい形で後ろにつなぐのは常にどの打順でも心掛けていること」と仕事を全う。緒方監督も「チョーさんのタイムリーが大きかった」と目尻を下げた。

 8月23日からの再昇格後は打率・333。「いっぱい食べて、いっぱい寝るようにしてます。打席の中でしっかりバットを振るようにしてます」。昨季も8月以降・390。夏男ぶりは健在だ。

 守備でも魅せた。V打が生まれる直前の三回の守り。先頭・木浪の左翼線への飛球を、地面すれすれでスライディングキャッチ。同い年のジョンソンから「ヤングマン」とたたえられる美技だった。

 7月上旬から約1カ月半の2軍生活でも、広島県内の焼き肉店でルーキーたちとの食事会を開くなど長野流は不変だった。高卒新人は16歳も年下で、ドラフト5位・田中法(菰野)は少年時代に長野の名前入りタオルを持って応援していた世代だ。そんな年の差でも「ノリ(田中法)はベテランに見えるよね」とイジるなど、ベテランの自分に対して親しみやすさも持たせた長野。この日の輝きは2軍の若鯉たちにも、きっと好影響を与えるはずだ。

 チームは4位との直接対決を制し、2カード連続勝ち越し。2位・DeNAとは1ゲーム差、首位・巨人とは5ゲーム差に縮めた。「また頑張ります!」と背番号5。残り11試合、プロ10年目が暴れまくる。

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