緒方監督 3年ぶり5連敗「切り替えてやるだけ」 今村救援失敗4失点
「交流戦、ソフトバンク6-2広島」(16日、ヤフオクドーム)
負の連鎖が止まらない。広島が2015年以来、3年ぶりとなる5連敗を喫した。1点リードの七回、2番手で登板した今村が4点を失い、逆転を許した。打線も四回以降は加点できず、2014年以来、4年ぶりの交流戦負け越しが決定。掲げていた「勝率5割」をクリアできなかった緒方孝市監督(49)は「切り替えてやるだけ」と努めて前を向いた。
セ・リーグの首位を快走していたカープが試練を迎えた。ソフトバンクとの昨季リーグ王者対決に敗れ、2015年以来、3年ぶりの5連敗。投壊に加えて、頼みの打線もチャンスであと一本が出なかった。負の連鎖に陥り、4年ぶりの交流戦負け越しが決定した。
1点リードの七回、ベンチは6回1失点の先発ジョンソンからセットアッパーの今村にスイッチ。「勝利の方程式」で逃げ切りを図ったが、足攻にリズムを狂わされる。1死一塁から川瀬にセーフティーバントを決められ、続く代打・長谷川勇に同点打を献上。さらに中村晃に勝ち越しの右犠飛を浴び、内川の2ランでトドメを刺された。
試合後、今村は「うまくいかなかった。1点差だと、この球場なので…」と言葉を絞り出した。連敗中で勝ちパターンの投手に出番はなく、10日・楽天戦以来のマウンドだった。登板間隔が空いたことに「それは関係ないと思う」と首を横に振ったが、先発が試合序盤に崩れ、大差での敗戦が続いたことが少なからず影響した形だ。交流戦のチーム防御率は12球団ワーストの5・67まで悪化した。
好調を維持していた打線も前夜の千賀に続き、バンデンハークも攻略できなかった。初回、敵失が絡むラッキーな形で先制点をゲット。赤ヘル打線らしく、相手のミスに乗じて一気に畳み掛けたいところだったが、鈴木、新井、西川が三振に倒れ、3者残塁で1点止まりだった。
3試合連続スタメン出場した新井は4打数無安打。打席に立つたび、大歓声に背中を押されたが、3度の得点機で沈黙した。大阪、博多と続く遠征で疲労も見え隠れする。それでも「悔しいね。何とかしたかった」と唇をかみ「ここで何とか踏ん張らないと」とナインの思いを代弁した。
「切り替えてやるだけ。連敗しているし、また明日、全員でしっかり連敗を止めて、しっかりとした戦いができるようにする」
緒方監督はいつものように前を向いた。貯金は6まで目減りし、2位・阪神、3位・DeNAとのゲーム差も3・5に詰まった。ここが正念場だ。17日こそ、連敗を止めて広島に帰る。