“見える化”目指し「ラプソード」導入 感覚に頼らないコイの流儀

 広島は今春キャンプで簡易型弾道測定器「Rapsodo(ラプソード)」を導入した。捕手の後方に設置し、投球の回転数や変化量などを測るハイテク機器だが、固定式の「トラックマン」より安価で持ち運びも可能。投球データを蓄積することで、リハビリや状態の向上などに活用するのが最大の目的だ。“見える化”を実現することで、選手が、よりパフォーマンスを発揮できるように支えていく。

 「ラプソード」の導入を球団に提案したのは石井トレーナー部長だ。昨年8月、米テキサス州のトレーニング施設を見学したのがきっかけだった。現地では同器の使用が日常的で、集めた投球データをリハビリや状態の向上のために有効活用していた。「主観ではなく、数値を基にすることが大事ですから」と説明する。

 球速はもちろん、回転数や回転軸、変化量や軌道など、さまざまな情報を計測し、数値化できる。投球情報を蓄積していくことで「過去の自分と比較ができるようになる」という。例えば、状態が良かった時の数値を指標とすることで、回転軸がズレているとか、何が違うのかをひと目で把握できる。そして、それを基に改善策を立てていけるのだ。

 石井部長は「傷病後にも役立つんです」と力説する。リハビリにも活用するため、2軍でも1台導入。故障した選手が投球を再開した際、正しい投げ方ができているかを判断する材料になる。さらに「若い選手が、目指す選手の球質と自分の球を数値で比べることができます」ともいう。若鯉の育成にも使用できるメリットがある。

 広島のトレーナー陣は徹底的に“見える化”にこだわる。昨季までも体の各部を機能評価し、良いパフォーマンスが出せない数値が出ていれば、トレーナーが練習メニューの変更や起用法の変更を首脳陣に提案していた。

 映像とデータは、即座にタブレット端末で確認できる。8日のブルペンでは中田、一岡がマウンドの横にタブレット端末を置いて、確認しながら投げていた。「感覚には頼らない」が基本方針。広島には確固たる流儀がある。

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