ドラ1中村奨、春季キャンプ1軍スタートへ無休トレ 清宮、安田の上へ

 広島の新人合同自主トレが7日、広島県廿日市市の大野練習場で始まった。ドラフト1位の中村奨成捕手(18)=広陵=は1月の合同自主トレ期間中は無休でスイングなどトレーニングする意向で、2月1日からの春季キャンプ1軍スタートを目指す決意を示した。「打てる捕手」となるためにも鍛錬を重ね、日本ハム・清宮やロッテ・安田ら同期のドラ1ライバルの上を行く青写真を描いた。

 プロの一歩目となった新人合同自主トレ初日後も、中村奨は黙々とバットを振り続けた。素振り、ティー打撃を約45分続け「ボールを打ったのは久々です。1カ月ぶりぐらい。ぼちぼちですね」とはにかみ、汗を拭った。

 築き上げてきたルーティンを全うする。「日課ですね。高校の時から」と、入寮日だった前夜も大野練習場で素振りを約1時間敢行。合同自主トレ期間中は無休でいくかと問われると「はい」ときっぱりと言い切った。スイングノルマは決めず「マシンもあるし、環境が整ってる。できるだけやりたい」と振り込んでいく。

 「アピールの場」と捉える合同自主トレの場。自らにムチを打ちながら、見据える先には2月1日からの春季キャンプがある。1、2軍のメンバー振り分けはまだ決まってないが、「やるからには1軍スタートでやりたいし、1軍の雰囲気を味わいたい」と言葉に熱を込めた。

 プロとして結果を残すためには打撃面も怠らないが、まずは守備面と定めているルーキー。この日の午前中に行ったキャッチボールでは、力強く回転のいい球筋を披露。強肩捕手の存在感は際立っていた。視察に訪れた水本2軍監督も捕手出身として「きれいな投げ方をしていた。投げる時も中心線がずれていない。肩の強さの片りんを感じた」と期待感を膨らませた。

 さらに田村スカウトも「座って(一塁へのけん制などに)投げられる地肩がある」と目を細める。中村奨自身にとっても肩はアピールポイント。「中でも強い球は自信があるので、より自信になる」と声を弾ませた。

 可能性は無限大の、期待のドラ1。現在は79キロの体重も「徐々に増やしていきたい」とプロ仕様の体を入念に作っていく。昨夏の甲子園では大会新の1大会個人6本塁打をマークしたが、高校時代は早実の清宮(日本ハム)や履正社の安田(ロッテ)に注目度では後れを取っていた。「清宮君や安田君。高校の時は先頭を切っていかれた。今度は自分が先頭を切っていけるような準備をしていきたい」。練習の虫は、尽きない野望を現実へと変えていく。

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