鈴木、堂々の4番!骨折離脱も26発90打点 連覇の原動力も悔しさ半分

 「阪神2-3広島」(18日、甲子園球場)

 うれしさ半分、悔しさ半分だ。両脇を抱えられた広島・鈴木誠也外野手は片足で跳びながら、急いで歓喜の輪に加わった。エルドレッドに背負われて、スタンドのファンにあいさつした。4番として打線を引っ張ってきた活躍は選手、ファンの誰もが認めている。背番号51の存在なくして、リーグ連覇は成し遂げられなかった。

 「連覇できたことは素直にうれしいですが、大事な時期に離脱してチームに迷惑をかけてしまった。自分自身も悔しい思いが残るシーズンになりました」

 8月23日のDeNA戦(横浜)。飛球を捕球しようとジャンプし、着地した際に右足首を負傷した。「右足脛骨(けいこつ)内果骨折」と「三角じん帯損傷」。全治3カ月程度と診断された。

 4月11日の巨人戦(東京ドーム)で初めて4番に座り、同25日の同戦(マツダ)から不動の4番に。重圧に耐えながら勝負強い打撃を見せ続け、優勝へ向けてここからもう一踏ん張りという矢先のアクシデントだった。

 ショックは隠せなかったが、そんな鈴木に緒方監督は声を掛けた。「俺は早くチームに戻りたいと頑張ってしまって、その後の現役生活に尾を引いてしまった。だから、時間をかけてしっかりと治せ」。1998年6月12日の阪神戦(甲子園)で外野フェンスに激突して足首を捻挫した指揮官。約1カ月のリハビリを経て早期復帰するも、かつてのスピードを取り戻すことはできなかった苦い経験がある。鈴木に同じ思いをさせたくなかった。

 この経験を無駄にはしない。手術前日、鈴木は病室から二松学舎大付の恩師・市原勝人監督に電話で「これを機に、体のケアの仕方や体の使い方など知識を豊富にしたいです」と誓った。すでに9日からトレーニングを再開。緒方監督の言葉で焦る気持ちを抑え、冷静に足もとを見つめている。来季こそ、歓喜の輪の中心で笑ってみせる。

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