新井「悔しいな」 意地打も好機で三振…今季東京D初黒星でマジック3度目消滅

 「巨人6-4広島」(30日、東京ドーム)

 広島・新井貴浩内野手(40)が勝負強さを示した。2-5の七回2死満塁、右中間を破る2点二塁打。途中出場ながら、さすがの存在感を見せた。追い上げも及ばず東京ドームで今季初黒星を喫し、阪神が勝ったため優勝へのマジックナンバーは再び消滅した。だが、最後までチーム一丸で戦い抜き、ナインに暗いムードはない。戦いはこれからじゃ!

 新井は悔しさを隠さず、バスに続く通路を歩いた。「最後はフォークか、悔しいな。あとちょっとだったのにな」。4-6の九回、守護神カミネロを攻め、2死一、二塁で打席に立った。球場のボルテージが最高潮に達する中、フルカウントから外角低めに絶妙に落とされ、空振り三振。ゲームセットで、最後のバッターとなった。

 今季、東京ドームで初黒星。優勝へのマジックナンバーも三度、消滅した。だがチームに暗い雰囲気はない。ナインはみんな前を向いて歩を進めた。その追い上げムードを高めたのは、途中出場のベテラン・新井だった。

 3点を追う七回だ。2死満塁から5番手・マシソンの速球をはじき返し、右中間を真っ二つ。代打で登場した五回の好機は凡退していたが、さすがの勝負強さで取り返した。

 「追い込まれていたし、とにかくコンパクトにと思っていた。真っすぐが速いピッチャーだから、バットも短く持って」

 これで1点差とし、最後の最後までカープ野球を展開。敗れはしたが、王者の底力で、巨人にプレッシャーを与え続けた。「諦めない。食らいついてね」と新井。緒方監督も「今日はトータルで考えたら、しっかり戦ってくれた」と敗戦の中に光を見いだした。

 不惑の夏を、元気いっぱいに駆け抜ける。7月の打率・367に続いて8月も46打数14安打、打率・304。昨季同様、ウエートトレーニングで体を動かし、灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、いつも以上にダッシュを繰り返した。年々、疲労回復が遅れ、疲れは蓄積されていくが、夏男ぶりは健在。食欲は旺盛で、眠れない夜は睡眠薬でぐっすり。鈴木の離脱によって、ベテランへの期待は高まるばかりだが、その準備は整っている。

 「一戦一戦?そうだよ。いつも言っているようにね。また明日の試合に向けて、しっかり準備していきたい」

 最後はいつものフレーズで締めくくった。マジックが消えても、ベテランは不動心。目の前の試合を、がむしゃらに戦うだけだ。

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