新井、誠也代役今こそ4番!3夜連続サヨナラ負け、M消滅がなんだ
「DeNA5-4広島」(24日、横浜スタジアム)
広島・新井貴浩内野手(40)が、右脛骨(けいこつ)骨折で離脱した鈴木に代わって4番で先発出場し、4打数2安打1打点と打線を引っ張った。チームは球団史上初の同一カード3試合連続サヨナラ負けを喫し、優勝へのマジックナンバーが消滅。今季最大の試練を迎えたが、ベテランは下を向かない。残り27試合に向けて「一戦一戦」と強調した。
重苦しい空気が充満した試合後、新井は発する言葉を探しながら「これが野球だから」と言った。「一戦一戦だよ、本当に」。バスまでの長い通路。遠くからDeNAファンの歓声が聞こえてくる。悪夢の3試合連続サヨナラ負けも、ベテランの表情に暗さはない。「気持ちを入れ直して、やっていくだけ」。現実を受け止めつつ、視線を前に向けた。
負傷離脱した鈴木に代わり、4月23日・ヤクルト戦(神宮)以来の4番に入った。3点リードの五回には右中間へ適時二塁打。試合中、球団広報を通じて「(一走の)丸がよく走ってくれました。追加点につながるヒットになって良かったです」とコメント。七回も右前打を放ち、4打数2安打1打点。久々の4番で仕事を果たした。
有言実行の一打だ。前夜、チーム宿舎で骨折が判明した鈴木に「しっかり治せよ」と声を掛けた。4番の重圧の中、奮闘する姿を近くで見てきただけに「一番悔しいのは本人だから。誠也の分までみんなで力を合わせて残り試合をやっていきたい」と誓っていた。
五回まで効果的に得点を重ねて試合を進めたが、六回以降は打線が沈黙。悪夢は繰り返された。4-4の九回、2死二塁から倉本の小飛球は二塁手前へ。名手・菊池がバウンドに合わせて捕球を試みたが、打球は不規則な回転で体の左側をスルリ。カバーに入った遊撃・田中が懸命にバックホームしたが間に合わなかった。
前日に続き、抑えを任された中崎は無言を貫いた。3試合連続のショッキングな敗戦。優勝へのマジックナンバーも消滅した。緒方監督は「3試合とも、終盤にああいうやられ方をして負けてしまった」と振り返り、4番について「経験のある人に頑張ってもらうのが基本。今日もいいバッティングをしてくれた」と新井に託した。
リーグ連覇へ、今季最大の試練だ。ベテランは「終わったことは変えられない。明日の試合に向けて、しっかり準備して、みんなで戦っていく」と話した。本拠地に戻り、チーム一丸でカープ野球を取り戻す。
