丸“復調”3安打 「隙あれば次の塁へ」激走三塁打も
「中日7-4広島」(21日、ナゴヤドーム)
原点を忘れない激走だった。2-5の八回無死。先頭の広島・丸の打球は中堅フェンスに直撃し、中堅手の大島が打球処理にもたつく間に、一気に三塁へ到達した。隙があれば積極的に次の塁へ。カープ野球を体現し、この回2得点の口火を切った。
「打てていなかったのでセンターを意識した。イメージ通りの打撃ができました」。初回、左中間突破の二塁打を放つと、六回は中前打だ。20日までの5試合は計19打数2安打。打撃練習から中堅から逆方向を意識し、復調のきっかけを模索した。八回の中越え三塁打を含め、チーム唯一の3安打を記録した。
黒星を喫したが、打撃陣は終盤に粘りの攻撃を見せた。最後まで諦めない姿勢は、全員に共通した意識だ。その思いをさらに強くしたのは6日の阪神戦(甲子園)。「9-0から試合をひっくり返された。何が起こるかわからない」。歴史的な逆転負けの屈辱を胸に刻み、誰もがグラウンドに立ち続けている。
23日からは無類の強さを誇るホームでヤクルトを迎え撃つ。自身も本拠地では打率・311を残すが「どんな展開でも無駄な打席はないです」。名古屋で復調のきっかけをつかんだそのバットで、連敗ストップを目指すチームをけん引していく。