岡田プロ初完投!殻破った無四球113球 カープいざ再進撃

 「阪神1-7広島」(15日、甲子園球場)

 広島・岡田明丈投手(23)がプロ初の完投勝利を飾った。9回を4安打1失点に抑え、2勝目。チームとしても今季初の完投勝利で、最速151キロの直球を中心にカーブも交えて虎打線を封じた。これで阪神戦はプロ入りから5戦で3勝負けなしだ。チームも今季デーゲームは5戦5勝という圧倒的な強さ。前日に連勝は「10」(1分け挟む)でストップしたが、再び進撃開始じゃ!

 最後までマウンドを譲らなかった。最後の打者はスライダーで空振り三振に。余力たっぷり。大きな感情表現もない。プロ初完投勝利もあくまで通過点。小さく右拳を握ったガッツポーズに、岡田らしさがあふれ出た。

 「初めてだったので、最後まで投げられて良かったです。最初から全力でいけました。野手の人に感謝です。力まず自分の球が投げられたと思います」

 次代のエース候補が殻を打ち破った。前回8日ヤクルト戦は無念の九回途中降板。雪辱を期した今回は「最初から」九回を目指してマウンドに上がっていた。初回に4点の援護をもらうと、四回まで圧巻の完全投球。最速151キロの直球に緩いカーブ、スライダーなど変化球を交え、虎打線を封じ込めた。

 4安打、1失点に抑える完投劇。1日・阪神戦は7四球、8日・ヤクルト戦は5四球と今季は制球に苦しんでいたが、この日は無四球と安定。走者がいない場面でもクイックで投げるなど、投球にも工夫を凝らした。

 「今年は5完投が目標だぞ!」

 開幕前、畝投手コーチから愛情たっぷりのゲキを飛ばされた。プロ2年目ながらジョンソン、野村に次ぐ先発ローテ3番手の立場。昨季はスタミナに不安を残し、「今年は完投したい」とオフから体力強化に励んだ。球団トレーナーから与えられたメニューをきっちり消化。「体重は維持したまま筋肉量も体脂肪率も一定にというのを意識しました」。年末年始に実家に帰省した際も汗を流し続けた。

 「風邪をひかないようにしたい」も口癖だ。昨年7月、体調不良で先発登板が流れる苦い経験をした。あれから加湿器を購入。「喉は潤っています」と笑った。同じ過ちは繰り返さない。今年は最後までローテを守り抜く決意だ。

 リーグ連覇を狙う上で、若手投手の台頭は欠かせない。昨季4勝を挙げた岡田はポスト黒田の筆頭候補。「岡田は期待している投手の1人。1人で投げきったことは大きな自信にしてほしい」。緒方監督も納得のチーム初完投113球だった。

 チームはデーゲームで5戦5勝。前日に連勝がストップしたが再び進撃の予感だ。阪神戦5戦3勝負けなしの“虎キラー”が、コイを上昇気流に乗せた。

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