悪夢のサヨナラ3連敗…大逆転の望み捨てん!過去の日本一は4勝3敗

 「日本シリーズ・第5戦、日本ハム5-1広島」(27日、札幌ドーム)

 広島が敵地で3戦連続の逆転負けを喫した。初回に先制点を奪ったが、二回以降は本塁が遠く、あと1本が出ない展開。そんな重苦しい中で、リリーフ陣がつかまった。七回に今村猛投手(25)が同点に追い付かれ、九回に守護神・中崎翔太投手(24)がサヨナラ満塁弾を浴びた。崖っぷちに追い込まれたが、緒方孝市監督(47)は「踏ん張らないとね」と前を向く。29日はマツダスタジアムでの第6戦。本拠地で反攻に出るだけだ。

 歓喜と悲鳴が交錯したグラウンド。勝負を分けた1球は右翼スタンドに消えた。日本ハムナインがホームで輪を作る。広島ベンチはぼうぜんとその光景を見つめた。2連勝で勢いよく乗り込んだ札幌で、まさかの3連敗。緒方監督は「勢いづかせてしまった」と悔いた。

 終盤の戦いが勝敗を分けた。接戦続きの3連戦。分岐点は九回に訪れた。表の攻撃。先頭の新井が右前打で出塁すると、緒方監督は代走・赤松を投入。安部が犠打を決め、1死二塁を作った。下水流は中飛に倒れ、打順は9番・石原。ここで捕手2人を除けばベンチには松山、堂林、西川の3人が残っていた。

 緒方監督はベテラン石原に懸けた。だが結果的に見逃し三振。続く九回の裏に、守護神・中崎が満塁弾を浴びた。レギュラーシーズンとは違う十五回制に加え、ビジターでの試合。勝負の流れが左右する中で、指揮官は守備重視の選択。接戦や、中崎らとの相性を考えて、石原に試合を託した。胸中を明かす。

 「代打の選択肢もあった。ただ中崎に長い回を考えて、リード面の所で石原にいってもらった。それに全然打てないと思ってない。当ててくれたら、と」

 接戦の末の敗戦。だが、それ以前に指揮官は接戦にしてしまった試合を悔いた。相手先発・加藤を攻め立て、初回に鈴木が中前適時打で先制点。二回には無死二、三塁を作ったが、石原が遊ゴロに倒れると、田中の四球を挟んで菊池、丸が凡退。「初回からの攻撃。完全に流れを持って来ることができなかったのかな、というは痛かった」と悔しがった。

 2戦連続の1得点。6番で出場した新井が言葉に力を込める。「あと1試合で終わるか、2試合やるのか」。目指すのは32年ぶりの日本一。負けるわけにはいかない。「しっかり体調を整えて臨めるようにしたい。切り替えていく」。ベテランがナインの総意を代弁する。29日の先発は大谷が有力。打ち崩せなければ明日はない。

 厳しい戦いが続くが、残り2試合は本拠地開催。2連勝を飾った真っ赤な球場が待っている。「また地元に帰ってもう1回ね。最後、踏ん張らないと。勝ってつなげる。もうその気持ちだけです」と緒方監督。最後はシーズン中から求めてきた気持ちの勝負だ。逆転日本一へ。負けられない戦いが、そこにある。

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